1003回目 2021/12/11
特殊清掃員って死人が出た部屋の清掃とかでしょうけど、今期やってたアニメでは除霊的な暗喩としても使われてましたし、案外広い意味合いで使えるかな、と思って使ってみました。
一回目
お題『優秀な事故』
必須要素(無茶ぶり)『iPhone』
文字数『870文字』 未完
タイトル『しがない特殊清掃員』
この日、一件の交通事故が発生した。
高速道路を走行中、速度超過の末に暴走。山間部を走っていた車は横転とバウンドを繰り返し、高速道路の外側へと放り出され爆発炎上。
死者は運転手一人のみ。これだけ大きな事故だったにもかかわらず、現場の損傷は少なく巻き込まれた車もいなかったのは奇跡と言えた。
「とまぁ、これがうまく行った仕事の一例だな」
パサリと資料を机に投げ出し、別刷の同じものを熱心に読む助手へ目を向ける。
「むむむ……ちゃんと事故死に偽装していますね。なのに、他の無駄な死者も傷害もない。勉強になります、先生」
「……うん、まあね。持ち上げてくれるのは嬉しいけど、やっぱりこれ、人に自慢できる特技じゃないから」
うちは幅広い顧客のニーズに合わせた暗殺を請け負う、名目上は特殊清掃員だ。
俺の場合は父親から代々受け継がれてきた家業ってのもあって、無理やり覚えさせられてたんだけど、助手を立候補してきた女の子は完全に部外者だ。
普通、後継者は自分の子孫か素質のある親戚から取るものなんだけど、昨今の少子高齢化で血筋が途絶えそうになっていて、気軽に養子も取れない。
加えて、俺が家業の手伝いに没頭していた間に青春が過ぎ去り、気づけば女性へのアプローチの仕方を教わらないまま大人になってしまった。
たぶん俺は結婚できない。
そう自分の中で結論づけた時に現れたのが、十代の少女だったのだから巡り合わせがいいのか悪いのか。
「やはり、現代の暗殺は警察の目を誤魔化すほどの工作が必要なのでしょうか?」
「一概にそうとは言えないよ。俺たちみたいな木っ端企業じゃ入念な偽装は必要だけど、国とゴリゴリの癒着関係にある大企業なんかは、捜査機関そのものに圧力をかけてくれるからね、クライアントが」
「はー、組織力ってどこの世界でも大事なんですねぇ」
「あとは実績と信頼と金かな。忍びの一族とかも、同業者として名刺交換したことあるよ」
ほら、と最近買い替えたiPhoneの写真フォルダから、いくつかめいしを//(時間切れ)
二回目
お題『すごいブランド品』
必須要素(無茶ぶり)『首相』
文字数『1080文字』 未完
タイトル『着払い詐欺』
「詐欺か?」
「詐欺だな」
学校終わりに家まで着いてきた同級生の言葉に、頭痛がする思いで頷いた。
「あのー、このお荷物は……」
「受取拒否で」
愛想笑いで困ってる郵便屋の兄ちゃんには悪いが、こんな怪しい着払いの荷物なんか受け取れるわけがない。
っつか、常識的に考えて受け取る方がどうかしている。
中身がブランド物のバッグで、送り主が今の首相の名前だぞ? 怪しすぎて逆に清々しいわ。
「これほぼ確実に詐欺だと思うんすけど、こういう時どうすればいいんすかね?」
「えっと、自分もこの仕事始めて間もないので、なんとも言えないですね」
「なら、受け取りサインとは別にサインだけ書いて渡して、受け取り拒否しましたー、って意思表示の物証は持たせたら? その上で、この怪しい荷物をどうするか決めたらどうよ?」
「あー、はい。そうしてみます」
こっちも向こうもどう対処していいかわからないまま、自分の家からちぎったメモ用紙に名前だけ書いて、郵便屋の兄ちゃんに渡す。
終始困った笑顔で頭を下げていった兄ちゃんは、怪しい荷物と共に帰っていった。
「何だったんだ? マジで心当たりねぇし」
「大変だなー。母子家庭だったよな、お前んち。そういうところから金をむしり取ろうとする輩もいるんだねぇ」
「不景気だから犯罪者も増えるんだろ。ところで、お前はいつまでうちにいる気だ?」
「お袋さんが帰ってくるまで待ってるよ。一応、証人としていた方がいいだろ? 変な荷物きたって」
「いや、普通そこまでしてもらうことでもないが……」
「面白そうじゃん。ちょうど退屈してたし、一枚噛ませろよ。危なくなったら降りるからよろしく!」
「人んちのトラブルをイベントみたいに言いやがって……」
結局、関係を見直したくなる友人は母親の帰宅まで居座った。詐欺師もそうだが、こいつも大概はた迷惑だよ。
「……ってことが夕方くらいにあったわけ」
「その時偶然居合わせた友人でーす! で、警察に連絡します? 俺一度やってみたかったんすよねー!」
問答無用で追い出せばよかった……こいつめっちゃうるさい。
年上好きとは聞いていたが、同級生の母親に色目使うなよ鬱陶しい。
まぁ、うちの母親は年齢の割には見た目が若いから、買い物に付き合ってたらナンパまがいの奴らがくることもあるけど。
「あー、そっかー。なるほどねー」
で、宛先の名前に書かれていた肝心の母親は、どこか煮え切らない反応で話を聞いていた。
軽く腕組みをして、右手の人差し指を//(時間切れ)
一応、これも特殊詐欺の一つですよね? 正式名称知らないんですけど、知ってどうにかなる問題でもないか。




