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「人類は働かざるを持って働くを知るであろう‥‥‥。背中に紋章のある者が亜人と人類にバランスをもたらすであろう。」 (極東文書)

ヒロは訓練を経て初の実戦を体験する。彼に熱いこみ上げるものが・・・・

クラスルームは大学の講義室の様で広く階段状になっていた。けれど、スクリーンやネット回線が充実していて、ここが最新鋭の設備だと思いだした。

おいらとプリシラとレイアは中央の中段に席をとった。

講師は、陸奥主任だ。パンツスーツでビシッとキメて大学の美人講師って感じだ。

「今日は、新しい生徒もいるから、復習も兼ねて、なぜ私たちがモンスターと戦うことになったのか、おさらいしてみたいと思う。」

中央のモニターに世界地図と三つの赤い丸が映し出された。

「五年前から各地にホールと呼ばれる異世界との出入り口が出現した。今では一〇か所以上確認されている。それと同時にビックホールと呼ばれるものが誕生した。その場所が、この三つだ。長門レイア説明しろ」

レイアは席を立って後ろに手を組んで答える

「ビックホールは南極、アメリカのテキサス州、ロシアのウラジオストクにあります。それぞれ第一、第二、第三ホールと呼ばれ、出現するモンスターも異なっています。」

「そのモンスターの特徴は?」

「第一ホールは海の底にあるため、クラーケンや白鯨などが多く、まれにクトゥルフ神話に出るようなモンスターも出現します。そのため、識別名にクトゥルフ神話の名前が付けられることもあります。第二、第三は主にドラゴンや大量の昆虫型のモンスターが多い傾向があり、近年強さを増しています。」

陸奥主任は首を縦に振るとレイアに座る様に指示した。

「上出来だ。さすが、序列二位だけのことはあるな。」

「レイア先輩。序列一位は誰だお。」

「一位はいないわ、今アメリカのドラゴン討伐に向かっている。」

「言っとくけど、彼女は私の倍は強いわよ、闘争心、技術、判断力どれをとってもトップ」

「すごいお、会ってみたいお。」

「ここ横浜所属だからそのうち会えるでしょ。でも礼儀に気を付けないとボコられるわよ。」

ガクブルだ。きっと悪魔のような女に違いないんだお。

「なぜ男のパイロットがいないか、説明しておこう。」

「初期には男が半分程度いた、しかしアーマーとの接触、あるいは戦闘で脳に支障をきたし精神疾患を持つものを多く出した。それに対し女は殆どその傾向は出なかった。これは、アーマーとの接触が性的な快楽と近いためと思われる。これ以上廃兵を作らないため例外を除いて男は採用されないこととなった。」


すると突然アラームが鳴った。

「序列五位までのパイロットは、至急発信準備。中型の竜二体を確認。殲滅に迎え」


「レイア、プリシラから、五位まで戦闘準備。それからヒロお前は出動して見学だ。」

「おいらも行くのかお?」

「実践というのを見ておいた方がいい」


戦闘はいつも突然だお。おいらとレイア、プリシラはカタパルトに向かった


おいら達は更衣室でパイロットスーツに着替える。みんな慣れた手つきだ。

ってここは女子更衣室だお。

「男子更衣室は無いのかお」

「いったでょ。男子がいないから更衣室はない。あと、アンタの服も着せないといけない。」

レイラは早々と着替え終わり、プリシラも着替えている。

「ヒロ。ちょっとなら見てもいいわよ?」

「マジかお?」

「嫌だあ、今凄い速さで反応したんですけど。」

ケラケラ笑うプリシラ、別名赤毛の堕天使。

ビリイイ。

「ああ、ちょつとなんでXLLが破けるのよ。ふざけんな。」

おいらにキレているのか、不良品の服にキレているのか不明だ。

「御免だお。」

あっ今のでレイラの胸が見えそうに‥‥…。

「やった今度は破けなかった。ったく後で配給班に文句言ってやろう。」

みえたっ。小さいけど綺麗な谷間だおお。

「服は後は自分でやってね。これはヘッドギア、操縦と通信に必要だから。」

「わかった」


着替え終わったおいらを含め五人はアーマーに乗り込んだ。

「ヒロ、アンタは初心者だからオートに切り替えて」

「はいだお」

陸奥主任が中央モニターに映る。

「レイラ、プリシラ、ティファ、テレサ、ヒロ各自点検を」

点検は何処を見ればいいのかお。

「レイア、異常なし。」

「プリシラ、異常なし。」

「ティファニア、異常なし。」

「テレサ、火器の段数不足、補充お願いします。」

「ヒロ異常なし」

分からないけど、見学だからいいお。


指令室。

「至急テレサの弾数を確認。先に四人は発進。」


「五人のバイタルは?」

「五人とも異常ありませ‥‥…。ん?ヒロのバイタルが」

管制官のハーフエルフがモニターをじっと見る。

「どうした?バイタル異常か?」

エルフは困った顔で応える。

「いえ、異常というか、尿が、尿が漏れているものと思われます。」

管制のハーフエルフ、エルフ、獣人、デュラハンがクスクスと笑う。

「ヒロ、そのあれだ。トイレに行かなかったのか?」

「すいません、洩れました。」

「これで二度目の失禁か。」

陸奥は目の前が真っ白になった。

「いえ、陸奥主任、一回目は脱糞でした。」

管制官の獣人が応える。

頭を抱える陸奥主任

「いいわ。次からはトイレは済ませるのよ…。四機発進。」

陸奥主任はポケットから胃薬を取り出すと、水なしで粉末を飲み込んだ。

「あいつに世界の未来がかかっているのか……。」

陸奥は、こめかみを抑えて作戦テーブルにもたれかかった。



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