戦闘訓練を受けるおっさん(33)
合同訓練を受けるおっさん(33)小学生程度の体力と知力は伊達ではなかった。
朝食バイキングを食べた後オイラは、カーキーの支給品を着てグランドに出た。
もう十人くらい集まっている。人間七人。亜人種三人。
お互いに溶け込まずにグループになっている。
そのあと十人来て人間十五人。亜人種五人のチームができた。
そこに、柄の悪そうな、20代後半の女性が来た。
「彼女が教官よ。言われた通りにしなさい。」
レイアが耳打ちしてきた。
彼女が前に立つとおいら達は十人で横2列にならんだ。教官には話さなくても人を操るすごみがある。
「今日はガキの中におっさんもいるんだな。じぁあ、1分で自己紹介。」
「はいだお。」
「はいだお。じゃねえよ。イエッサーだ。」
「イエッサーだお。」
ビッチー教官はおいらの襟をつかみひねり上げた。
「だお。はいらん。」
「イエッサー。」
「おい新入り、いい年して靴紐の結び方もママに習わなかったのか?」
「マジックテープしか履かないお。」
?……。よく見ると右のひもがほどけそう。
「よし、こいつが直している間全員腕立て。よーい」
「待ってほしいお。おいらのせいだお。」
「戦争だったら一人のミスで全員死ぬんだよ。腕立てはじめ」
合図ともに、自分以外の女子たちは腕立てを始めた。
「早くしないと‥‥・‥。」
焦りから、1分程度かかってしまった。
「できました。」
「腕立て終わり。」
皆おいらを見てるお。いきなり迷惑かけたお。
「よし、おっさんが、靴紐を結び終えたところで一〇キロの装備付き行軍だ。用意出来次第はじめっ。」
ハーフエルフの子もスタイル抜群の美少女もオイラを見てクスクス笑っている。
「そういえば、班決めがまだだったな。おっさんは、レイアの班だ。いいな。」
「イェッサーだお」
おいら達はロッカーの中の鞄と装備、それからカラシニコフという銃をもって
マラソンをスタートした。走るのはあまり時間ないお……。
「今日は新人がいるからゆっくり行くわよ。ティファ。校章が取れかかってる。」
班のリーダーはレイアだ。ティファはハーフエルフ。金髪で背も高くて可愛いお。
「おっさん?さっきみたいに足引っ張らないでよね。」
ティファが睨んでくる。
「はいだお。」
銃、防弾服、軍用ブーツ、装備一式の入ったリュックを背負う。
凄く‥…。凄く思いお。後ろに倒れそうだ‥‥。
「ちょっとしっかりしてよ。」
後ろにふらつく俺をレイアが支える。
彼女は自分の荷物をヒョイと抱えると先。
レイアとは
を走って、みんなに喝を入れる。
苦しいお……。
まだ半分も行っていないのに倒れそうだお。
足はガクガク、棒のようになっている。もうだめだお…。
「リーダーもう動けない、お」
レイアはため息をつくと俺の所まで荷物を置いて駆けてきた。
「初日で10キロはきついか。私が肩かすから、ベロニカは銃を持って。」
「おやおや、おっさんがJKに助けられてなさけねえな。」
教官がやってきて、罵声を浴びせる。
「レイア、お前の責任だ、なんとかしろよ。」
「はいっ」
レイアはそう言うと、おいらの肩を抱え、走るのを支えた。
「おっさん、走り終えたらママの手作りのミートパイがあるから楽しみにしとけよ。」
ビッチ―教官はそう吐き捨て他の班を見に行った。
おいらは其の後なんとか、肩を借りて荷物も持ってもらって倒れるようにゴールした。
「初めての割には上出来だ。休憩して水分をとれ、そのあとは射撃訓練だ。」
「おっさん。背中出して。」
そういうとレイアはおいらの背中を強引にたくし上げた。
「なにするんだお。」
彼女は背中を見ると
「これが、極東文書のあざってやつなの?いいわ。水分補給しなさい」
レイアはぼそりと呟くと、スポーツドリンクを差し出した。
休憩を終えると射撃の訓練だ。
初心者の俺にはレイアがマンツーマンで指導してくれる。
「このカラシニコフってのは、とにかく頑丈ってのが売りの銃なの。簡単に撃ち方を説明するから一回で聞きなさいよ。」
彼女はカラシニコフを構え射撃場の的を狙う。四〇メートル先にはドラゴンの絵が張られている。
「安全装置、セーフティは銃の横にある。これを下げてロックを解除する。この銃の場合オートなら引き金を引いている間は連射するわ。」
レイアはセーフティを外し、引き金を引く。ズダダダダと連射された弾丸が的に向かう。
やっぱり本物は迫力が違うんだお。
「打ち終わったら誤射を避けるためにセーフティをかけなおす。いいかしら?」
「はいだお。」
「これで的をみてみなさい?」
手渡された双眼鏡で的を見る。すると、竜全体に弾が散っていた。
「あまり、精度が出てないのは、この銃はそういう設定になっているからなの。」
「つまり、命中率より実際にぶつけたり、砂をかぶったりしても壊れない丈夫さが売りなわけ。」
レイアはセーフティをかけおいらに手渡す。
「私たちのアーマーで市街戦の時はP90、野外つまり屋外はカラシニコフのでかいのを使うからこの操作は実践でも大事なわけ。ちょっと撃ってみて。」
「わかったお」
おいらはセーフティを外し、オートに切り替えた。四〇メートル先にはマッマの仇のドラゴンがいる。
許さない、殺してやるおおおおお。
「死ねええええ」
おいらは憎しみを込めて引き金を引き続けた。衝撃が体に響く。
「ちょっと、やめなさい。」
「マッマを返せよおおおお」
レイアは、銃を取り上げ、セーフティを掛けた。
「アンタねえ、いくら仇だからって、私の言うことをしっかり聞きなさいよ。」
我に返った。おいらは急に恥ずかしくなった。
「すいません。」
レイアはスコープを覗く
「ほら、全然当たってない。いい?戦いのときは闘志も大事だけど、冷静さも必要なの。」
「はい。」
JKに説教される三三歳の構図これは目づらしいと思う
「今日はこんなもんでいいわ。午後は、座学とシュミレーターだから」
「イェッサーだお。」
「昼めし食うわよ。」
「おいらも行っていいの?」
「話したいこともあるしね。」
食堂では訓練生たちが昼ご飯を食べている。けれど、人間同士、エルフ、獣人、その他デミといったグループが構成されている。この光景は高校のスクールカーストを彷彿させた。
「仲が悪いのかお?」
「よくわないわね。人間と亜人にも、差別があるけれど、亜人の中にも、また差別があるのよ。ハーフエルフは、獣人たちを嫌っているし、獣人も少数派のデミを嫌っている。」
「仲良くできないんゴねえ」
レイラとおいらは、バイキング形式でプレートにランチを積んでいく、運動して腹ペコだお。
「これいけるわよ。」
レイアが指さしたのは、子供のリザードのシチューだった。異世界からの食材もよく見ると沢山置いてある、野生の牡牛のステーキ、レインボーバードの卵のスクランブルエッグ。これらは、異世界人がストレスなく暮らせる配慮だ。
「こんなのもある。」
レイアが指さした先にウォーターサーバーに入れられているのは血である。
「ひいいい、こんなの誰が飲むんだお?」
「ドラキュラ、あと、獣人も時々飲んでるね。」
サーバーには張り紙が張ってあり、若い女の血ABとОのブレンドとあった。
よく見ると、バンパイアの子のテーブルと獣人の子のテーブルには、この血液ミックスが当たり前のように置いてある。
俺と、レイアはテーブル席についた。
「レイア、一緒に食べようよ。」
「ああいいよ。」
そこに現れたのは、巨乳の赤毛のショートヘヤの女性でモデルのような美しい女だ。
(この世のものとは思えない美しさだお。)
「この彼が、例のエース候補なわけ?」
「まあそうね。ヒロ紹介しとく、彼女はパイロット序列3位の睦月プリシラ。サキュバスよ。」
「サキュバスっていうと、男を誘惑する亜人?」
「ヒロは巨乳と貧乳どっちが好き?具体的に何カップ?」
俺にすり寄ってくるプリシラ
「F」
「変態、市ね。」
レイアが汚物を見るような目でおいらを見てくる。レイアはBカップだ、でも、綺麗な胸だお。
「気にしなくていいお貧乳はステータスだお。おいらは貧乳もいいと思う‥‥。」
「コロス……。」
「あー怖い、怖い。ちょっと待ってね、今Dだから‥‥。」
そういうと、少しだけ乳をもんだ、すると、見る見るうちにFカップになるのだった。
「これでFよ、どうきにいった?」
「すごい、さすがサキュバスだお。」
レイアは腕を組んで冷ややかに見ている。
「プリシラ。アンタ昼間から男あさってんじゃないわよ。あとヒロ。サキュバスってのは男の精気を吸い取るから骨抜きにされるわよ。」
「大丈夫よレイア、横取りなんてしないから。」
二っと笑うとプリシラはおいらたちの傍に座った。
プリシラは赤く美しい長髪で、背は一七〇弱位ある。まるで、モデルみたいだお。
「ねえ、ヒロは極東文書の秘蔵っ子なんでしょ?その辺聞かせてよ。」
「なんだお?」
極東文書ってなんぞ?
「ヒロはその話は知らないわ、多分陸奥さんが話すんじゃない?」
「へえ。ところで、この鹿のペニスとイチゴのスムージー美味しいわよ。飲んでみない?」
鹿のペニスとイチゴのスムージーなんてどんな味が想像もつかないお
「ちょっと変なもの飲ませないでくれる?」
「これだから、亜人ハーフは直ぐにおこる」
「サキュバスなんだから、もっと地味なかっこしなさいよ。男ばかり色目使ってんじゃないわよ。」
「こわーい。ヒロ。」
サキュバスのプリシラの乳がおいらの腕に当たるお。
「ぶっ飛ばすわよ。」
レイアがブチ切れた。怖すぎだお。
「冗談だって。レイア血の気高すぎなのよ。」
そういうと鹿ペニスのスムージーを飲んで、口を拭った。
「ヒロ、これ飲むと男らしくなるらしいわ。」
「ほんとかお」
「いい加減にしろおおおおお」
レイアの絶叫が食堂に響きわたり、訓練生、教員、職員みんながこっちを見ている。