未来での話と、過去への旅立ち
セリフのところを少し変えてみました。
「僕は山田太郎っていうんだけど、君の名前は?」
まずは無難に自己紹介から始めることにした。
「はい、私はクロノっていいます!えーっと、何から説明するべきでしょうか??」
色々と訊きたいことはあるんだが、とりあえず1番気になることを説明してもらうことにした。
「じゃあ、君が言っていたタイムスリップについて、まずは訊きたいかな」
そう言うと、クロノは難しい顔をした。なんだろう?
「あの、私がここに来た理由とも関係があるので、少し長くなるんですけど、いいですか?」
勿論構わないのだが、ここは外だ。
「とりあえず、家に来てからにしようか。」
「はいっ!」
何故かとても嬉しそうに、元気いっぱいにクロノは頷いた。
ついさっきまで家に帰る途中だったので、すぐに着いた。といっても、なんの自慢にもならない、ありきたりなマンションの一室なのだが…
「ここが太郎さんの家ですねっ!なんだかテンションが上がっちゃいます!」
本当によくわからないところで喜ぶな、この娘は。まぁ、可愛いからいいけど。あ、そういえば、彼女の容姿についてふれていなかったと思うので、ここで紹介しよう(まぁ、誰にするのかは知らないが)。
まず顔だが、とても可愛い。声をかけられた瞬間には普段女性に興味のない僕がドキッとしてしまった程だ。
天使か妖精かといったもので、少なくとも僕が今まで見てきた中ではダントツだ。ふわっとした黒髪は後ろ側で1つに結ばれていて、活発な印象を与える。
身長は少し小さめで、胸もかなり控えめだ(視線を感じた。これ以上はやめよう)。
「じゃあ、まず私がここに来た理由から話しますね。」
「あぁ、了解した。」
タイムスリップと関係があると聞いていたし、気になってもいたことなので特に止めはせずに話を聞いた。
「えっとですね、信じられないかもですけど、私、10000年後の未来から来ました。」
「いきなりだな。まぁいいや。続けてくれ。」
ちょっと飛びすぎな気はするが(色々と)、疑っても仕方が無いので続きを促す。
「はい、それでですね、私がいた時間では、地球…いえ、宇宙は滅びかけています。」
今とんでもないことさらっと言われた気がする!
「その原因がですね、資源の枯渇により奪い合いが多発し、他の惑星をも巻き込んでの大規模な戦争が起きたからなんですよ。」
「ちょっとそこまで来たら信じ難いかな。」
流石にこれを信じろと言われて信じる阿呆は滅多にいないのではないだろうか。
「もちろん信じてもらえるとは思えません。でも疑うだけの人じゃないから、私は太郎さんを選びました!」
過大評価な気はするが、まぁ悪い気にはならない。美少女に褒められたら皆嬉しい。(ん?なぜ僕の人柄がわかるような口ぶりなんだ?)
「それでですね、10000年後ではタイムマシンが開発されたんですよ!それに乗って昔に戻って、資源の枯渇を未然に防ごうという予定だったのですが……」
「勢い余って10000年も前に来ちゃったとか言わないよな?」
「ギクッ……いえ?この時代あたりから資源が大量に消費されるようになったのでここにきただけですよ?」
ギクッって!今ギクッって!……まぁ、大量生産大量消費の世の中だし、あながち間違えてもないんだよな。
「そうか、そうだな。それで、これからどうする気なんだ?」
クロノは少し悩む素振りを見せて、
「そうですね、実はこの時代、手遅れなんです。もう既に資源消費が加速しているので、さらに前の時代に飛んで、解決していきたいと思ってます!」
さらに前にってなんか矛盾してる気がするけれども。
「なるほど、だがそんな大事な任務に俺も一緒に行っていいのか?」
「はいっ!1人じゃ寂しかったので、旅の仲間が欲しかったんです!見たところ興味もありますよね?」
いやそりゃね。この退屈な日常を抜け出したいと思ってたし。現代社会も飽き飽きしてたとこだし。
「興味ありまくりだから是非連れていってください!」
言ってやったぞ。後先なんて考えるものか。
「じゃあこれを着けてください!」
そう言ってクロノは、僕に腕輪(?)を渡してきた。
「それがタイムマシンです!操作は私がしますから、着けるだけで構いませんよ!」
「おぉ、意外とコンパクト化されてるんだな。」
未来の技術すげー。でも任せて大丈夫かな。またデタラメな時間戻されそうだけど。
「できました!じゃあ行きますよ?」
「おい待て一体何年前に行くんだってうわぁあああああああああああああああああ」
こうして、僕達は過去へ旅立ったのだった。
前回よりも大分長くなりました。描写とか余計なもの入れたかも……。美少女であることをここらへんで推して置かないとダメな気がしまして……