プロローグ
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その夫婦は、今日も変わらず下界を見守る。
それは、何百、何千、いや、もう何万年もの間繰り返してきた事だった。
「この一家今日も楽しそうで良いわね」
そう呟くのは、女性の理想を体現したかのようなバランスの取れたスタイルで佇み、金色に輝く撫でやかな髪を靡かせて、ぷるんとしたほのかに赤い唇をもちそして何よりも吸い込まれる様な深い瞳を持つ【幸運の女神フィルフィーネ】である。
「元気にすくすくと育っていく子供を見ると微笑ましくなるものだよ」
そう返すのは、スラリとした様子で自慢の銀の髪をオールバックで後ろに纏め、キリッと鋭い目をした【鍛冶神ラルティス】である。
「「…………」」
「ねえ」「なあ」
「「一緒に子供つくってみない(か)?」」
「「…………」」
お互いに見つめ合った二人は、相手の赤く染まった顔を知り、今度は、真っ赤に顔を染める
「お主ら、よくもまあこの何万年もの間変わらずに愛を囁き合う事がでるのう」
ビクっと震える二人をよそに,呆れたかのようにそう言ったのは、長い髭を蓄えた仙人のような初老の男性であった。
「【創造神ゼラルト】様脅かさないでくださいよ。今日は、何しにきたんですか?」
「いやあ、最近暇でのう。何か面白いもんが無いかと何処かの馬鹿ップルを探しにふらふらしておったら
案の定、面白い事を言っておったから声をかけてみたんじゃよ」
そう言うとまたもや馬鹿ップルが顔を赤く染める。
「もお、からかわないでください。それで本当の理由は、なんですか?」
「そうですよ、いつもの悪戯は、その辺で止めて用件をお願い致します」
まだ若干顔が火照っているように見えなくもないが、砕けた場を作り直すかのように言う二人。
「ほほ、そう急ぐでない。実はじゃの、皆で下界に遊びに行こうかと思ってな、ついでにお前さんらは、そこで、子供を育てれば良かろう」
「「・・・・」」
「・・・・」
「はぁ、お主らこういう時ばかりは本当に勘が鋭いのう。 日常が終わりを告げ始めたんじゃよ。 奴が賽を投げおった下界を舞台に天界、冥界を巻き込む大きな戦が始まる。幸いまだ時間が残されておるからの今の内に少々舞台を弄っておこうかと思ったのじゃ」
深く息を吸ってゆっくり吐き出す様に言ったその表情は、かつて起きた悲惨な大戦物語っているようだった。
「そうですか遂にこの時が来ましたか。奴が復活しようと好き勝手はさせません。ひとまず【武神ガルゴ】と【魔法神ニルファーナ】そして下界にいる神々にも声をかけてみましょう」
これは、下界を舞台に天界の神々そしてその神兵である天使、冥界の神々そして彼らに忠誠を誓う悪魔、下界にある様々な国々そして誰よりも英雄に憧れる少年を戦火の渦へと巻き込み後々に伝説の大戦と語り継がれるそんな物語である.
最後まで読んで頂き誠のありがとうございます。
主人公は、次話登場予定です。見守ってあげてください。