13 LEVEL3
「起きて・・・生き返って!・・・お願い!!」
誰だ・・・あぁ・・・あいつか、ったく生き返るくらい静かにさせてくれ。
意識が戻ってくる。まぶたに光が戻ってきた。
「起きてーー!!おーきーてー!!ウォン!!」
「・・・・・・あ・・・ガハッゲホゲホッ・・・?ここは・・・?」
目が覚めると、宿屋の天井が目に入った。
傍らには、涙袋を膨らませているエルナと心配そうにこちらを見る薄く左頬が赤くなっているクルスがいた。
「生き返った!やった!・・・ごめんなさい!」
突然、エルナがベットに横たわっているウォンに抱き着いた。
いきなりの事で戸惑っているウォンだが、すぐに首が繋がっているか手で触り確かめた。
「あ・・・首繋がってるんだ・・・それに・・・生きてる・・・生きてるんだ俺・・・」
胸に寄りかかってるエルナを退けると、自分の手を確かめた。
ちゃんと存在する。光が見える。正直、あんな思いはしたくない。
「俺はお前にとんでもない事をしてしまった!自分の恩人を二度も助けてくれた人間を殺すなんて!」
あれは・・・夢だったのか?
ウォンはもう一度、自分の首を摩った。かさぶたの様な皮がへばりついている。その真中に溶接したような痣がある。
「これがウォンを助けてくれたの・・・」
エルナが見せたのは、いつかウォンが拾った綺麗な石だった。
そういえば、あの時、エルナにこの石が落ちた時も腕がもとに戻ったな。
・・・・・・あれ?ってことは・・・
「え?俺の首が生えたって事なのか?あれの比じゃねーほどキメッー!」
ウォンは想像してはいけない物を想像してしまった。
頭を抱え、「ギャァーー!」と今の雰囲気には似合わない叫びが部屋中に響く。
「大丈夫!大丈夫だから!あなたは生きてる!だから・・・安心して」
エルナは混乱するウォンを押さえて鎮める。
しばらくして、ウォンは落ち着を取り戻した。
「国には・・・帰らなかったのか?そもそも、理由は何だ?もう一度処刑するためなら・・・俺を生き返らさなくても土に埋めてくれればよかったのに・・・」
クルスに暗い顔で問いかけた。
「この事自体が起きたことを延期させる。国王には着いた時に適当に言えばいい。それと、お前を生き返らすよう命じたのはエルナ様だ」
ウォンはエルナを見た。
ベットの横には心配そうにこちらを見るエルナのがいる。
ウォンは、ベッドから力の抜けた体を必死の思いで降り、エルナの足元で土下座した。
「お前には、本当にすまない事をした。ひどい事も言った。なぜ、殺されるはずだった俺をを助けてくれたのか分からない。だが、ありがとう・・・ございました」
地面に頭を擦りつけ、顔を上げた。
「これからあなたに二つの朗報をお知らせします」
朗報?悲報でもなく朗報だと?
ウォンは立ち上ると、ベッドに腰を降ろす。
「一つ目はこれ」
エルナの手からステータスカードが渡された。それにはウォンの名で記載されていた。
「レベルが・・・3・・・になった?・・・嘘でしょ?」
「嘘じゃないわ、ステータスも大幅に変わってる」
生命力:245
魔力:209
腕力:223
守備力:218
瞬発力:230
賢さ:250
運:240
LEVEL:3
Ex:339
ランク:F
ふと、カードに水溜りがポタリ・・・ポタリ・・・とどこからともなく落ちてきた。
「あれ?・・・おかしいなぁ・・・カードに水が・・・こんな大事な物に汚れちゃった・・・」
カードを袖で急いで拭くと、傍にある小机に大事に置いた。
「でも・・・なんでこんなに上がってるんだ?」
「レベルが上がるのは初めてだから知らないよね。レベルが一つ上がるごとにステータスは全体的に100上がるんだよ。あとは、個々による戦闘で小さなステータスの変化くらいかしら」
エルナはウォンのステータスを見て、自分の数日前のステータスを思い出す。そして、ポケットにある今のステータスを思い出してガックシする。
涙を必死にぬぐうと、ウォンはもう一度エルナの目を見た。
「で?もう一つの朗報ってのは何だ?」
すると、エルナは真面目な顔でこちらを見る。その瞬間、ウォンは思い出した。あの時を。
『私、この人と交際します。付き合います!』
いや・・・まさか・・・な?
「あなたを、王女専属護衛官に任命し、そして・・・」
「・・・そして?」
「あなたを私の婿とします」
ほらきたーー・・・うぜーーな・・・、ったくよーー!!!
エルナはニコニコしながらこちらを見る。
「エルナ様!何を仰ってるんですか!いくらこいつがエルナ様を2度・・・も・・・」
クルスは拳を握り、エルナに怒鳴ったが、すぐに口をつぐんだ。
そして、エルナはにこやかな顔で「何か文句でもある?」とでも言いたげな顔でクルスを見ると、エルナらしくない一言を言った。
「クルス、あなたは私を助けてくれた事、あったかしら?」
「ない・・・です・・・で、ですが!今の俺ならあなた様を助ける事くらい!」
「あの時、目の前にいて、トロールに食べられる私を見殺しにしたのはだ~れ?」
クルスは歯を食いしばりながら、言いたくない言いたくないと目は叫んでいたが、
「お、・・・俺・・・俺です」
ウォンはその茶番劇をアクビをしながら眺めていたが、すぐにこれは他人事ではないと気が付く。それと同時に一つ思い出した。
「なぁエルナ。あんた前言ったよな。『この人もは私と同じレベルなのよ。残念だけど、私のレベルを越した人と交際するなんて一言も言ってないから・・・ごめんね』ってなぁ?俺、今レベル3だぜ?あんたはレベル1だろ?」
ウォンは自慢するようにエルナにカードを見せる。クルスも後ろから賛同するように反対のエールを送る。
だが、その言葉はエルナの一言とある物で打ち砕かれた。
「あら奇遇ね。私もレベル3よ」
エルナが提示したのはレベル3の書かれたエルナの名前で記載されたステータスカードだった。
・・・ステータスカードに書かれてる運の表示間違ってないか?




