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王族がぞろぞろ

次の日、神殿は王族の対応でバタバタだった。

呼んでもいない国王も王妃をエスコートして姿を現した。



女神様は相変わらずカウチがお気に入りだった。


ずらっと勢揃いした王族の顔をスーッと眺めると王太后のところで視線が止まった。女神様の口元がわずかに上がった。



次の瞬間、女神様は…………ぱふっと、クッションに頭を落として目を瞑ってしまった。



またかよっ!

呼び出したんだから、一声ぐらいかけてよ。


あ…王太后の顔色が変わった。真っ青になってわなわな震えて………怒ってる?怒ってる?だよね。いきなり呼びつけられて、笑われて、放置なんて。女神様マジあり得ない。もしかして、自分で呼び出したこと忘れてるとか。額の端を冷や汗が流れる。でも神官長の名にかけて表情は変えないぞ。冷静に冷静に…。こんな時は必殺技。


女神様は目覚めたばかりで不調である!


多分…。ってかお願いそうであって。

なんか胃がキリキリしてきた気がするよ。女神様~。




次の日、国王の末妹である第2王女がかねてより打診のあった隣国の第3王子に嫁いで行った。相手は第2王女の美貌に惚れ込み、身一つでいいから結婚してくれと泣いて縋って顰蹙を買っていたと思うのに、絆されたんかな。王太子じゃなくて第3王子なんて信じらんないとか王太后もカンカンだったんじゃ?

第2王女の故郷ってことで国境争いも鎮静化してくれたらいいな。もしかして、今回の小競り合いも第2王女愛しさなの?それに絆されたの?

わかんねぇ。神官って結婚ないから、恋愛全く考えたことないや。



ってか、いくらなんでも急すぎないかな。一国の王女が嫁ぐのに、荷物とか護衛とか準備大変じゃね?マジに身一つってわけじゃあるまいし。

あぁ、そうか。とっくに決まってたのに神殿への連絡は放置されてたんだな。どうせ、王籍簿を管理するだけの役割だよ。事後連絡で充分でございますってか。

あっ、第2王女は22才か。王族としては、ずいぶん……。決まってて当然だった。俺が王族に無関心すぎたのか。反省。


5才上の第1王女は8年も前に別の隣国に嫁いでいるし、これで支度金が浮いたんだったらその分、渇水対策とかに使ってくれたらいいんだけど。




さらに明くる日、王弟が第1王女の嫁いだ国に留学に出た。治水の勉強をするらしい。滞在費は王妃である第1王女が持ってくれる。ラッキーだね♪

でも、今から勉強して間に合うんかい。しないよりはマシだけど。渇水と大雨の対策学んできてね、心の中でこっそり応援するからっ。




さらにさらに翌日、国王が王妃を離縁した!

結婚して10年、子宝に恵まれなくても愛妻家として知られる国王もそろそろ跡取りをと考えたのかな。そうだよね。この国には女神様の加護のある次の国王候補が必要だ。恋愛より王家の職務!ほんと女神様に愛されるのも大変だ。相手するのも大変だけど…。

王妃は実家に戻り、年金などは不要らしい。

王妃の生活費とか浮いた費用で土壌改良とか……すぐに次の王妃を娶るだろうから無理だった。ついお金に換算しちゃう癖をなんとかしなきゃ。



さらにさらにさらに翌日、王太后が隠居した!


マジでっ!毎日毎日王族イベント?何コレ?



王太后は先日嫁いだ第2王女の元に行くらしい。すげぇ小規模の花嫁行列だったって噂聞いたけど、自分で駆けつけるつもりだったのね。そうですか、そうだよね。


家屋敷は勿論(持っていけないけどな)、家具に絵画にドレスに…なんと宝石までほとんど置いて行って、食糧輸入の費用に当てて欲しいとのこと。

…とりあえずの食糧調達してこの冬を越して、来年の対策を……やっぱり、神殿の運営も国の運営もお金だよ。お金大切。




なんか急に王族が減ったなぁ。マジ浮いた費用を国民のために使ってくれたらいいんだけどなぁ。しかも直近と長期的な対策!結局のとこ決めるのは国王と宰相だしなぁ。

女神様が言ってくれたら、それで決まりだと思うけど、今日もカウチでゴロゴロ。

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