ある男の話
今週もありがとうございました!
来週は連休ですよね
私は野外ライヴで一汗流してまいります
台風の影響が出ませんように
また来週の木曜によろしくお願いいたします
今の時代何が起こるか解らないので、すぐ目の前にある未来など来ないかもしれないなんて半分冗談で半分真顔で話したりします
でも、明日は何事もなく普通にやってくるはずと言うのは心のどこかに当たり前に思っているのではないでしょうか?
この国の、都会過ぎず田舎過ぎない町に、ある男が暮らしていました
年の頃なら40過ぎ、大企業でも零細企業でもない製造業の工員で役職は無し
と言う、どうやら出世とは縁遠い男でした
結婚願望は昔からあるのですが、その願いも未だ叶わず、家賃3万5000円の古いアパートに1人で住んでいます
実家にいると両親や親戚からの「結婚はまだか?」攻撃にさらされるので、このアパートに避難していると言う方が正しいかもしれません
この男には生来の悪い癖といいますか過去の失敗をけして忘れることができず後悔ばかりするところがありました
日々、ふと気が付くと後悔の念が押し寄せてくる・・・
あの期末テストの時にもう少し勉強をしておけばよかったなぁ
あの時に親の反対を振り切って大好きなアーティストのコンサートに行けばよかったなぁ
気にかかって仕方がなかったあの憧れのあの子に勇気を持って告白すればよかったよなぁ
海外旅行に行くチャンスがあったのに英語が話せないからと行かなかったけど行っておけばよかったなぁ
・・・・
過去のことを思い出しては後悔ばかり
これではなかなか楽しい充実した人生なんておくれないよなぁ
ある日、この日も仕事でヘトヘトになって帰宅した男でした
今日もまた、あの思うような進路に進めなくなった期末テストのことを、思い出してくよくよ後悔していました
疲れた体で考えている・・・いつの間にか眠ってしまった男でした
翌朝、男は目が覚めました
また、変わり映えのしない一日が始まるのか?と思っていたら・・・なんと男は自分が学生服を着ていることに気が付きました
おや?
そしていつの間にか懐かしい教室の机の前に座っており、目の前には試験の答案用紙が置かれていました
見覚えのある学校の先生が「始め!」と叫びました
え?なんなんだ?・・・
キョトンとしている男に向かって先生は「時間がなくなるぞ!早く試験に取り組みなさい」と指導しました
試験問題を見た男は驚きました・・・それはもう少し勉強すればよかったと後悔していた期末テストと全く同じ問題が出題されていました
サクセスストーリーならば、ここでスラスラと回答し全問正解となるのですが、現実は厳しい、解けなかった試験問題はやはり解けませんでした
あ~・・・またか・・・
そこで落胆した男でしたが、気が付くと風景が変わっていました
目の前にはちゃぶ台を挟んで父母の姿が・・・
父が「まだ中学生だぞ!1人で新幹線に乗ってコンサートへ行くなんて危険だ!やめなさい」
母が「気持ちは解るわよ、でもお父さんの言う通りまだコンサートへ行くなんて早すぎるわ」
男はよし今度こそはと・・・「一生のお願いだから行かせてよ!」と言いました
父「駄目だ!行くなら帰って来ても家にはいれないからな」
結局この時も男はコンサートへ行くのを諦めました
あ~・・・またか・・・・
おや・・・校庭の向こうから憧れの子がこちらへやってくる
「やっぱり可愛いなぁ」
そう思っても勇気を出して声をかけることも出来ない男
「あの時は勇気が無かっただけなんだ・・・のはず・・・そうだよな」
そううじうじ自問自答している間に、あの子は通りすぎてしまいました
あ~・・・またか・・・
ほんと駄目だなぁ・・・これを乗り越えないと何も変わらないぞ・・・
ふと周りを見渡すと校庭だったはずなのに、何やらどこかの店のような所の机の前に座っていました
目の前には笑顔の店員?さん・・・
「ここの国は今気候が良い時期で海も奇麗ですしお勧めです」
えっ?ああ海外旅行の代理店に来た時のことだ・・・あの時は英語が話せないとかでやめたよなぁ
「私・・・英語が不得意で旅先ではそれが心配なんですが」
「大丈夫ですよ!この国ならお互い英語は身振り手振りで通じますよ」
「いや・・・でも何かあった時に、すぐ対応できそうにありませんし・・・」
「治安も良い国ですから大丈夫・・・」
ここからは不安で頭がいっぱいになって店員さんの言葉は耳に入らず・・・
「いろいろ説明いただいてありがとうございました・・・ちょっと検討してきます」
と男は席を立ってしまった
あ~・・・またか・・・
こうしてこの場面が終わると男はまた次の後悔していた場面にいたのです
うまく行かず、またその次も、その次も・・・ずっといままで後悔している場面にいるのです・・・
そうエンドレスに続きました
男は後悔していたことをいつまでも克服できないので、ずっと過去を彷徨い続けてしまう人生となっていたのです
そう、この男には二度と明日は来なかったのです
半分冗談ではなくこの男には本当に未来が来ないのです
「過去の後悔に拘り過ぎると未来はないですよ」
いつのまにか男は立派な反面教師として他人の人生を導いていたのでした
今日の晩御飯楽しみやなぁ!と考えるだけでも未来には進めるとは思うのですが・・・




