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1万3千の瞳
とある鉱山内の
地下千メートルにある
水チェレンコフ宇宙素粒子観測装置
それが私
5万トンの超純水のタンクを
直径50センチ
1万3千本もの光センサーの金色の瞳が
囲っている
それらの目をもって
飛来したニュートリノが
たまたま水分子と衝突する事で現れる
チェレンコフの青い光が灯るのを見張っている
それでも青い光が灯るのは
本当に
本当に
たまたまなのだ
何を言っているのか分からない?
そんな事はない
調べ給え
与えられるだけの知識は栄養にならない
ニュートリノによる天体観測
宇宙より暗い水の中を
光より少し先の宇宙の出来事を
私は今も見守っている
修理や改良を重ねて更新され続けた私は
今この瞬間も1日に30個ほど現れる
誰も数えぬチェレンコフの青い灯火を
目を閉じずに待ち続ける
2026/02/24 ver.1.00
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