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人見知りのあさり貝

(んー!)

長時間座りっぱなしで強張った体を伸びてほぐす。

集中していたらいつの間にか終業時間だ。

おやつのブドウ糖のお陰で集中出来たみたい。


今日は花の金曜日。

周りの同僚は予定があるのか、いつもより少し開放的な華やいだ雰囲気。

こちとら直行直帰ピープルですよ。

帰りにいつものスーパーに寄って帰ろう。

お菓子とか、美味しい物とかお酒とか買って帰ろう。

今日のごはんはお腹に優しいおうどんにしようかな。

ねぎとお揚げさんを玉子でとじた優しい味のやつ。

すぐ出来るし美味しいし、ついつい作っちゃうんだよね。

そうだ、この前買ったあさりのお出汁も少し隠し味で入れてみようかな。

畑と海のマリアージュや!なんてね。。


そういえば、デスクのキツネーズは長い事仕舞ったままだった。

週末の天気は2日とも晴れみたいだし、久しぶりに洗って干してフワフワにしようかしら。

お日様の匂いのふわふわだなんて、最高に素敵だもんなぁ。


周りをキョロキョロと見渡し、人が居ない事を確認するとそっと引き出しを開けた。

(綺麗に洗濯してふわふわにしてあげるね。。)

そっと2匹をバッグに入れて連れて帰ろうとしたところ、


「せんぱ〜い!今から課のみんなでごはん行こうって話になったんですけど、もし良かったら先輩もご一緒にいかがですか?」


誰も居ないと思ったのに、急に話しかけられて思わず体がビクッと震えてしまう。

焦った手でぎゅむぎゅむとフワフワ2匹をバッグに押し込んだ刹那、


「ぐぇっ!」「おわっ!」


なんて小さな小さな声が空耳で聞こえた気がしたけど、きっと疲れているせいだ。

ギギギと振り向きそちらを見やると、

1週間の疲れなんて一欠片も感じさせない後輩ちゃん。


凄いなぁ〜、若さからかな〜、それとも自己管理が上手なのかな〜と考える疲れ切ったぼんやりとした頭。


「ちょっ!先輩顔が疲れすぎじゃないですか笑

なにか栄養のあるもの一緒に食べに行きましょう。今日行くお店は旬のお野菜のおばんざいがとっても美味しいんですよ〜♪

あと、今何か聞こえませんでした?ぐぇっとかおわっみたいな。。先輩大丈夫ですか?」


心配の眼差しで見つめられると、自分よりも何歳も年下なのに周りを見て気遣いが出来る後輩ちゃんと自分を比べて劣等感に苛まれてしまう。

私なんか、自分の事で精一杯だっていうのに。。

1週間をやり過ごすのに青息吐息だというのに涙


「あっ、あ〜!そういえば今日は予定があるから、参加出来そうにないな〜。ざ、残念だな〜(棒)。みんなで楽しんで来てねっ」


慌ただしく荷物を纏めると一目散に駆け出した。

急ぎすぎて椅子のコロの部分に足のくるぶしを強打してちょっとと涙目だけれど、とにかく今すぐここを離れなくては!

だってだって、眩しすぎるよ〜涙

仕事も出来て気遣いもできるなんて完璧すぎるよ。。


「お疲れ様〜!良い週末を〜」


後ろも振り返らず、言い捨てた。

脱兎の如く姿を消す寸前、


「そうは言っても、いつ誘っても来ないじゃ無いですか。。」


恨めしげにぶつぶつと呟く声など、耳に入るはずも無く。

予定という予定?なのだろうか、もうすぐ閉店するスーパーへと足を向ける寂しい背中を見送る後輩ちゃんなのであった。



好物を買って週末の1人パーティーも最高ですよね。

書いていて、なんだか急にお揚げのおうどん食べたくなってきました。

今の季節は冷たいおうどんも最高ですね。

冷やしたぬきうどんとか。

後輩ちゃんは退勤時にエレベーターの中で、

みんなでごはん食べ行きますか〜の流れになったのでわざわざ戻って主人公を誘う為に戻ってきてくれたんです。

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