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【第8章:偽りの脱出】

第7章をお読みいただきありがとうございます。

8人に囲まれ、絶体絶命のりく。

その窮地を救ったのは、騎士・シオンでした。

月明かりの下、逃げ出した二人。

しかし、安堵したのも束の間、シオンの瞳に宿る光は……。

エダンたちが獲物を吟味するようにりくを取り囲んだ、その一瞬の隙だった。

「……動くな」

鋭い風が吹いたかと思うと、りくの体が宙に浮いた。彼女を横抱きにしたのは、騎士・シオンだった。

「シオン、貴様、何の真似だ!」

エダンの怒声を背に、シオンは窓を蹴破り、月明かりが照らす深い森へと飛び降りた。

古びた教会の跡地で、シオンはりくを地面に下ろした。

「あ、ありがとう……助けてくれたんだね……」

しかし、シオンはりくに背を向けたまま、低く掠れた声で言った。

「勘違いするな。……俺は、あいつらと『分け合う』のが我慢ならなかっただけだ」

振り返ったシオンの瞳は、禍々しく赤く光っていた。

「あいつらの牙の跡がついた君を見るのは、耐え難い屈辱だ。……だから、俺だけのものになるまで、全部上書きしてやる。……りく、俺と一緒に、永遠に彷徨い続けよう?」

救われたと思った先は、二人きりの逃避行という名の、終わりなき独占。りくの目から涙が零れ落ちるのを、シオンは愛おしそうに舌で掬い取った。

第8章をお読みいただきありがとうございました。

シオン、まさかの強奪。

「助けてくれた」と信じたいりくの願いを、彼の独占欲が無惨に打ち砕きます。

他の男たちの牙の跡を、自分の愛で「上書き」したいという狂気……。

次回、第9章。

逃げ場のない教会。シオンによる、終わりなき独占が始まります。

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