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【第5章:狂乱の香りに誘われて】

第4章をお読みいただきありがとうございます。

カイの研究室へ運ばれたりく。

しかし、彼女から放たれる「熱を帯びた血の香り」が、屋敷の主たちの理性を奪っていきます。

集う4人の吸血鬼。逃げ場のない密室で、りくの体は限界を迎えます……。



カイの研究室へ運ばれたりくだったが、そこは安全な避難所ではなかった。

彼女の体から立ち昇る熱を帯びた「特別な血」の香りは、屋敷中の空気を甘く狂わせてしまった。

「……っ、カイ、どけよ。その娘を独り占めさせるわけにはいかないな」

扉を蹴破るようにして入ってきたのは、芸術家のレンだった。その手には鋭い爪が光っている。

「レン、ここは私の研究室だ」

カイが制するが、背後からも足音が響く。

「礼儀なんて、この香りの前では無意味だ」

現れたのは、騎士のシオン。いつもはりくを守るような素振りを見せていた彼でさえ、瞳は獣のように赤く染まっていた。

「あ……ぁ……みんな、こないで……っ」

りくが身悶えすると、ハルがつけた傷口から一滴の血が零れ落ちる。その瞬間、部屋の中の空気が爆発した。

「あはっ!いい匂い!ねえ、みんなで分けようよ」

戻ってきたハルが、りくの足首を掴んで引き寄せる。

「壊れるなら、それもまた美。……僕は、彼女が絶頂の中で絶望する顔を描きたいんだ」

シオンがりくの顔を両手で包み込み、耳元で囁いた。

「……りく。嫌なら、俺を拒絶しろ。……できないなら、俺はお前を喰らい尽くすぞ」

囲み、見下ろす、4人のヴァンパイア。りくの意識は甘い熱に飲み込まれていった。

第5章をお読みいただきありがとうございました。

ついにシオンやレンまでが本性を現し、りくを取り囲む事態に。

「守る」と言っていたシオンの豹変は、気弱なりくにとって一番の絶望かもしれません。

次回、第6章。

ついに4人による「共有」が始まってしまいます。

「絶望感がすごい」「シオンにゾクッとした」という方は、ぜひ下の【☆☆☆☆☆】やブックマークで応援いただけると嬉しいです!


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