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【第2章:甘い毒の隠れ家】

第1章での絶望的な「共有宣言」から一転、今回は救世主(?)の登場です。

殺伐とした兄たちの中で、唯一優しく微笑む末っ子のハル。

ですが、ここは「逃げ場なき箱庭」。

彼の「優しさ」が、どのような形でりくを追い詰めていくのか……。

末っ子の皮を被った純粋な狂気に、どうぞ耳を傾けてください。

エダンの冷酷な宣言に、りくが絶望して瞳を潤ませたその時。

「……ねえ、そんなに怖がらせたら可哀想だよ」

場にそぐわない、明るく幼さの残る声が響いた。末っ子格のハルが、ひょいとりくの隣にしゃがみ込む。

「みんな、今日はもうおしまい。この子は僕が預かっておくよ。……いいでしょ、お兄様たち?」

ハルが小首をかしげて微笑むと、他の兄たちは不満げながらもハルの「無邪気な特権」を認めたのか、一人、また一人と闇に消えていった。

「……あ、ありがとう、ハルさん……」

ハルはりくの小さな手を優しく包み込んだ。

「いいよ、りく。僕の部屋に来て。あそこなら誰も入ってこれないから」

ハルの部屋は、ぬいぐるみや絵本が並ぶ、一見すると普通の男の子の部屋のようだった。

「大丈夫、僕はあんなに乱暴じゃないよ。……ねえ、りく。君の血、すごくいい匂いがするね」

ハルは無邪気な顔で、りくの膝に頭を乗せて甘えるように見上げた。瞳は、笑っているのに少しも瞬きをしていない。

「ねえ、少しだけでいいから……僕にだけ、分けてくれない? 守ってあげた、お礼にさ。兄さまたちにめちゃくちゃにされるのと、僕一人に可愛がられるの。……どっちがいいか、わかるよね?」

ハルは、りくの手首にある細い血管に、そっと柔らかい唇を押し当てた。


第2章をお読みいただきありがとうございました。

「守ってあげる」という甘い囁きから、逃げられない密室へ。

ハルの無邪気な瞳が、少しも瞬きをしていないことに気づいた時の絶望感を共有していただけたら幸いです。

次回、ハルの牙が初めてりくの肌を貫きます。

そして、血を吸われたりくの体に現れる「副作用の熱」が、彼女の理性をどう溶かしていくのか……。

お楽しみに


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