【第15章:覚醒する絶望、あるいは逃避の終焉】
第14章をお読みいただきありがとうございます。
狂乱の果てに、お人形のように微笑むだけのはずだった、りく。
しかし、主たちは彼女が「楽になること」さえ許しませんでした。
カイの冷酷な執着によって、強制的に現実へと引き戻された彼女。
逃げ場のない箱庭で、エダンが突きつける「究極の選択」とは……。
狂乱の吸血によって「お人形」のように微笑むだけのはずだった。
……しかし、カイが首筋に薬液を流し込んだ瞬間、意識は強制的に現実へと引き戻された。
「……おはよう、りく。勝手に眠らせ(壊れさせ)はしないよ。君が絶望を感じていないと、血の味が濁るからね」
心が壊れることすら許されない究極の絶望。
「……助けてほしいか、りく。ならば、誰に助けてほしいか、その名を選べ」
エダンが8人の顔を見渡させる。「選ばれた一人だけが今夜、お前を連れ出してやる。……だが、選ばれなかった残りの7人がお前に何をするかは……分かるな?」
「僕を選んでよ」「……俺だ。俺を選べ」
8人のヴァンパイアたちが激しく火花を散らす。
「……選べない、……だれも、いや……っ」
「……ふふ、欲張りだね。なら、全員で、君が動けなくなるまで愛してあげるしかないじゃない」
テオが楽しそうに笑い、再び彼女の白い肌に牙を立てた。逃げたいという願いが、彼らの独占欲をさらに加速させる。
第15章をお読みいただきありがとうございました。
心を壊して逃げることすら許さないカイの「治療」。
「絶望を感じていないと、血の味が濁る」というセリフに、彼の底知れない狂気を感じていただけたでしょうか。
誰を選んでも地獄、選ばなくても蹂躙。
極限状態に置かれた、りく。
次はいよいよ、最終章
永遠に続く箱庭の輪舞曲。彼女が最後に見つけた「温もり」の正体とは。
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