【第13章:箱庭のチェイス】
第12章をお読みいただきありがとうございます。
ノアから鍵を受け取り、脱出を試みる、りく。
自由への扉が開かれた瞬間の高揚感と、その後に待ち受ける残酷な現実。
8人の主たちが仕掛けた「脱出ごっこ」の結末を、どうぞご覧ください。
ノアから手渡された銀色の鍵は、スイートルームの扉を音もなく開け放った。
「……あ……開いた……っ」
迷路のような廊下を抜け、エントランスの大扉へ手をかけた瞬間。
「……おや、意外と早かったね」
シャンデリアの上に座ったテオが、リンゴを弄んでいた。
「あはは! ほら、次はあっち。裏口なら空いてるかもよ?」
テオが指差した先にはレンが、右へ行けばハルが、左へ行けばルカが。彼らは決して捕まえようとはせず、ただ彼女を袋小路へと追い込んでいく。
「……はぁ、はぁ……っ、お願い、もう、やめて……!」
噴水の前で膝をついたその時、背後からエダンが近づいてきた。
「……23分14秒。前回の獲物よりは粘った方だね」
カイの淡々とした言葉に、りくは絶望する。
「……ノアさんが、鍵を……」
「あぁ、あれか。僕が渡すように言ったんだ。君が『自分にはまだ可能性がある』なんて顔をしているのが、どうにも癪に障ってね」
エダンは泥に汚れた彼女の足を愛おしそうに掴んだ。
「これで分かっただろう? どこへ行こうと……君は僕たちの手のひらの上だ」
第13章をお読みいただきありがとうございました。
ノアから渡された鍵。それさえも、りくの「希望」を完膚なきまでに叩き潰すための、エダンの残酷な罠に過ぎませんでした。
どこへ逃げても、そこは彼らの手のひらの上……。
次回、第14章。
ついに、りくの心が限界を迎えます。
8つの牙が同時に剥かれ、一人の少女が「意思を持たない器」へと作り変えられていく衝撃の瞬間。
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