【第11章:共鳴する毒】
第10章をお読みいただきありがとうございます。
幻影の迷宮で、理性の糸がぷつりと切れてしまった、りく。
恐怖すらも快感へと変質してしまった彼女の、衝撃的な決断。
8人の主たちが集う中、物語は一つの「終焉」へと向かいます。
テオとレンが見せる幻影はますます甘く、残酷に色を増していく。
「……りく。君が望むなら、僕は君の描き変えたい過去も、痛い未来も、全部この絵の中に閉じ込めてあげる」
逃げても、誰に助けを求めても、結局は彼らの牙が待っている。それなら……いっそ、この温かい闇に溶けてしまえばいいのではないか。
吸血された時のあの熱が、りくの体を突き動かした。瞳がトロンと虚ろに濁り始める。
「……吸って、ください……もう、ひとりに、しないで……」
自らレンの肩に腕を回し、しがみつくりく。テオとレンの顔に、凶悪なまでの歓喜が浮かんだ。
「あはっ、最高! やっとこっちを向いてくれたね」
レンが再び首筋に牙を立て、テオが背中を撫で上げる。その背後で、パチパチと拍手をする音が聞こえてきた。
「おめでとう。ついに彼女は『僕たちのもの』になったわけだ」
現れたのは、冷ややかな笑みを浮かべたエダン。その後ろには、嫉妬を宿したルカやハル、そして絶望的な表情で立ち尽くすシオンの姿もあった。
りくは吸血される快感の中で、ぼんやりと彼らを見つめていた。
第11章をお読みいただきありがとうございました。
ついに自ら牙を求めてしまった、りく。
エダンの「おめでとう」という言葉が、これ以上なく残酷に響きます。
次回、第12章。
完全に「彼らのもの」となった、りくのその後の姿は……。
最上階のスイートルーム。そこは美しき地獄の檻でした。
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