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77話

「うおおおっ!!」

「きゃあああ!!」


 闘牛モンスターが突進してきたのを見た俺は慌ててオリビアさんを抱き寄せ、横っ跳び。何とか突撃攻撃を回避することに成功した。


 危なっ。危うくミンチになるところだったわ。


 闘牛モンスターは立木に激突し、立木は根本が粉々に粉砕。メキメキと音を立て、倒れた。ぐわあ、恐ろしい。


 とりあえず俺は、敵がこちらを向くまでに鑑定を発動する。



【グレートホーンブル:巨躯と立派な角を活かした突進攻撃を得意とする。赤い物を特に標的とする性質をもる。肉は美味。Dランクモンスター】


 この鑑定結果を見て、俺の脳裏に良案が閃く。……待てよ、これを利用しない手はないんじゃないか? と。



「オリビアさんはテントの中に隠れていてください!」


 俺はオリビアさんを【ファランクス・システム】に押し込むと、インベントリから何かの装飾に使えるかもと生地屋で買った赤い布を取り出し、試しに「ヘイ牛さん、カモーン!」と倒木の前で挑発してみた。


 闘牛場のマタドールの真似事というか、反応するかの実験だ。

 

 案の定グレートホーンブルはさらに鼻息を荒くし、後ろ足で地面を蹴る突進のモーションをした後、俺のもつ赤い布めがけて突進を仕掛けてきた。


 思惑通りだ。


 赤い布めがけての真っすぐの動きだから読みやすい。だが、避け損ねてあの重量級の突撃を食らったらダンプに引かれるようなもんなので、油断は禁物だ。


 俺は赤い布に突進させてはひょいと避け、倒木に激突粉砕させ、を何度か繰り返し馬車が通れるようにした後、完全気配遮断を使用しグレートホーンブルの背中に飛び乗り【スカイドラゴンのハンマー】を構える。



 ――インゴット精錬、発動!


 カンカンカン! ジュワー! と鳴り響くエフェクト音。よし成功だ。


 頭を四角形に変形させたグレートホーンブルは、地響きを立て横倒しに倒れた。と同時にレベルアップの間の抜けたファンファーレが鳴った。



「オリビアさーん、終わりましたよ~」

「うわあ……」


 テントからマメを抱っこして出てきたオリビアさんは、頭がインゴットになった牛さんを見て絶句。


「お肉美味いみたいなんで、ちゃっちゃと解体しちゃいましょう。今日は牛肉BBQです!」


 それから俺とオリビアさんで協力してグレートホーンブルを解体。ゲットした肉はオリビアさんの次元収納にぶち込んでおいた。


 今夜の取り立て牛肉BBQ、楽しみだな。


 それから地図を広げて現在位置を確認し。


「追手にはここを通ったと見せかけ、一旦引き返して南に進路変更しましょう」


 俺たちは馬車に乗り込み倒木を一旦素通りしてから、直近の分かれ道へと引き返した。

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