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オリビア・マイ・ラブ2(モノローグ・アーノルド)

 俺はアーノルド、ローエン兵士団の隊長だ。周りからは「ローエンの青鬼」と呼ばれ恐れられている。


 俺には目に入れても痛くない可愛い長女がいる。名をオリビアという。


 ――オリビア・マイ・ラブ。



 ……なんだろう。最近オリビアの様子がおかしい気がする。


 表情がそこはかとなく暗いのだ。本人は気丈に振る舞っているつもりなのだろうが、自分の娘のことくらいわかる。きっと何かがあったに違いない。


 何かあったのか? と聞いても答えてくれない。パパ寂しい。


 妻のマリーもどこかピリピリしている感がする。きっとマリーには相談しているのだろう……。俺には言えないことなのだろうか?


 だがある日突然、衝撃の事実を俺は知ることになるなんて。その時の俺は知る由もなかったんだ……。



 なんだと~~~~!!!! あのクソ豚、もといマルグリットがオリビアの胸を揉んだだとぅうお~~~~!?


 俺は部下の言葉を聞き、自分のコメカミに血管がピキピキと浮き出るのを感じた。


【(※天の声)アーノルドの部下イワンさんとミランダさんが兵舎で「なあミランダ? オリビアさんとリリアさんの胸にマルグリットが手を伸ばしたのを俺見てよ……、その後大変だったらしいぜ?」「なんですって!!!」という会話をしていたのを、たまたま通りかかったアーノルドが盗み聞きしてしまい、揉んでしまったと勘違いしてしまっただけです。】


 ……すまんマリー。俺はこれから修羅の道に入ろうと思う。


 堪え性のない男だとなじってくれても構わない。だが俺のオリビアがあんなことやこんなことをされてまで、黙っていられるほど人間できちゃいない。


【(※天の声)されてません。】


 だから俺は、あのクソ豚を屠殺せねばならぬのだ!



 ――シャコ、シャコ、シャコ、シャコ。


 俺は皆が寝静まった後、数多の敵の血を吸い続けた妖剣ティルフィル(ただのメテオライトの剣)を髪を振り乱して朝まで研ぎ続けた。


「あなた……!? 目の下に隈をこさえてどうされたのですか……!? それにその刀は……」

「ん? マリーおはよう。もうこんな時間か……。フフフ……、清々しい朝だね……?」

「あなたはきっと疲れているんです。今日はお仕事お休みしましょう。いいですね?」


 ……なぜか妻のマリーに諭されてしまった。


 マリーの言うことに今まで間違いがあったためしはない。俺は素直にマリーの言葉通り、隊の仕事を一日だけ休んむことにした。


 フフフ……。今宵、俺の妖剣ティルフィルに血を吸わせようと思ったんだが。実行は明日ということにしてやろう。クソ豚よ。一日だけ命拾いしたな……?


 ……


 何? あのクソ豚が失脚しただと? それなら屠殺するのは今回だけは勘弁してやらんでもない……。


 だがまたオリビアに悪い虫がついてみろ? 我が妖刀の餌食にしてやる……。

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