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22話

 彼ら改革派議員二人がギブアップするのは意外に早かった。


 市議会3日目の朝、議会開かれる前に二人揃ってルベン議長の目の前で土下座して許しを請うてきたのだ。


 俺も二人には家族がいるところを見てしまったので、奥様や娘さんまで地獄のどん底に叩き落とすのは忍びないと思ってしまった。


 俺の方からルベン議長にお願いし、もし彼らが許しを乞うなら改革派閥を解体し一議員として心を入れ替えて出直すということで許してもらった。


 もしまた悪さをたくらむようならまた……とルベン議長が脅したら震えあがっていたのでもう大丈夫だろう。


 リビオという銀鉱山で見かけた小悪党は悪さをしているところを現行犯逮捕されたらしい。


 ということでこの件は一件落着となった。



 俺がお願いしていた通り、ルベン議長は俺のことは伏せてくれた。ルベン議長からしてもまた何かあった場合俺に依頼しやすいだろうし、俺はそもそも目立つのが好きじゃない。


 ルベン議長からは二人への例の工作をどうやったのか? と聞かれたが、完全気配遮断のことは適当に誤魔化しておいた。ルベン議長も知ってか知らずか、突っ込んではこなかった。


 ルベン議長からは、今回のクエスト報酬として小金貨2枚、ブラックスミス(鍛冶師)への転職許可証、ルベン議長の愛娘であるルチアちゃんと結婚し市議会議員になることの3つが提示された。


 3つ目の結婚と市議会議員になる件はもちろん丁重にお断りした。政治家なんぞこの世で一番目立つ仕事であり、俺に務まるわけがないからな。


 それに俺はまだまだこの世界で冒険がしたいんだ。


 俺は目立ちたくないというだけであって、ワクワクするようなことにはむしろ自分から飛び込んでいくタイプだ。こんな面白そうな世界に来ておいて、それを楽しまないなんて嘘だろう?


 さて残りの報酬だが、お金とブラックスミスへの転職許可証はせっかくなので受け取ることにした。


 ルベン議長から小金貨2枚を受け取った瞬間、いつもの間の抜けたファンファーレ音が鳴ったのでレベルアップもしたようだ。あとでステ振りなど検討しなければ。ブラックスミスへの転職もどうしようか……。とりあえず説明だけでも聞いてみようか。



 それにしても頭の悪い3日間だったな……。どっと疲れが……。


 意外に改革派議員二人のギブアップが早かったため下着が余ってしまった。リスクの塊でしかないこれをインベントリ内で放置しておくのは怖い。下手に処分することもできないし、こっそりお店に返しておこう。


 ルベン議長の邸宅を後にした俺は、お店に作戦で余った下着をこっそり返却。


 鉱業ギルドに行こうと思ったけど、やっぱやめ。流石に疲労困憊、明日にしよう。ベッドに入ったら秒で眠れるレベルだわ。


 俺は適当に飯と酒を買い込み、カーミラさんの宿屋へと戻った。

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