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18話

 帰りがけ、門のところで警備兵のお姉さんにランジェリーショップの場所を教えてもらうことにした。


 最初は訝しんでいたお姉さんだったけど、ルベン議長の依頼をこなすためにどうしても必要なことだと説明すると、「可愛い系ならここで、アダルティ系ならここね」と快く教えてくれた。


 あの改革派議員たちは明日の市議会に出席するはずだ。それまでに準備を整えなければならない。


 俺はとある作戦を決行するため、ランジェリーショップへと向かった。


 もちろん女性ものの下着を買うためだが、男の俺が正面切って買えるわけがない。


 一応女性店員さんや周りのお客さんの絶対零度の視線を受け止めつつ、「うちの彼女にどれが似合うかなあ~」などと世迷言をのたまい、ブツをゲットできないことはないけれども。


 流石に俺にはそんな度胸ないとです……。


 俺はファンシー系のお店の前で完全気配遮断を発動した上、クマさん柄、ウサギさん柄、イチゴ柄みたいな可愛い系の下着を合計10着インベントリに入れ、会計カウンターのお姉さんの目の前で小銀貨8枚を置き店を出た。


 これをもしパクりでもしようもんなら、俺にはあの改革派議員どもを責める資格はない。金を払っているし、新品なのだからこれは単なる布にすぎない、と俺は自己暗示をかけ何とか気持ちを整える。


 それから警備兵のお姉さんに教えられた通り、アダルティ系のお店にも行ってみた。


 完全気配遮断を発動の上、MP切れに注意しながら店内を物色。こんな場所でMP切れからの登場など、お巡りさん案件。人生詰んだも同じである。


 店内にはT字のすんごいのから、黒、紫、情熱的なレッド! さらにはムチみたいなとんでもないブツたちがずらりと陳列されており、俺はドギマギした。化粧品類も売っているようだった。


 どれを選んでも一緒だと思った俺は、適当にインベントリに合計10着ほどのアダルティな下着、それに小細工に使えそうな深紅の口紅を入れ、ちょっとお高めの大銀貨1枚小銀貨5枚を会計カウンターに置いた。ついでに経理用に使っている紙があったので、それを10枚ほど拝借し紙代として小銅貨2枚も置いて店を出た。


 中々ハードルの高いミッションだったけど、なんとかこなせたようで何より何より。


 しかし所持金が心もとない。現在所持金は1785arc。大銀貨1枚、小銀貨6枚、大銅貨8枚、小銅貨5枚しか残っていない。


 必要経費とはいえ大分散財してしまったようだ。掘ってきた鉱石類を鉱業ギルドで売ってこよう。


 俺は鉱業ギルドへと向かうことにした。



 鉱業ギルドに入ると、カウンターにこの間マイナーへのジョブチェンジを手伝ってくれた陽キャ美女職員さんがいたので、彼女に買取を依頼することにした。


 売れそうな所持品は銀鉱石8、石炭5、鉄鉱石6、銅鉱石5、火属性原石3、水属性原石2、風属性原石1、シルバーモール、ゴブリンの魔石3。あとは鉄のツルハシに刺してあるゴブリンカードも売ることはできるが、カードは専用ショップでしか取引できないためここでは売ることができない。


 俺はこのうち属性原石、石炭、ゴブリンの魔石は残して全て売ることにした。鉱石類を全部売らずに残したことには理由があるが、それは追々説明する。


 シルバーモールが大銀貨8枚、銀鉱石、鉄鉱石、銅鉱石まとめて大銀貨1枚、小銀貨6枚で売れた。シルバーモールはレアモンスターのコレクターがいるらしく高値がつくようだ。


 これで所持金にかなり余裕ができたぞ。ステータス上の所持金表記は11385arc。10000arcは小金貨1枚と同じ価値のはずだが、今は全て銀貨で所持している。


 これで装備の新調もできそうだな。


 ギルドの売店にタオルと石鹸、ハサミ、カミソリ、手鏡が売っていたので購入。しめて大銅貨6枚だった。



 さて、今日のところはもう休もう。昨晩はほぼ徹夜で走りっぱなしだったから足が棒のようになっている。明日も忙しくなるだろうし、今日は早めに宿屋で休むとしよう。


 俺は露店で適当にパン、ベーコン、野菜、果物、酒などを大銅貨2枚分買い込むと、ソバージュ女のいるいつもの宿へと戻ることにした。


 いつもならあんなことがあったら気まずくなって別の宿を探すだろうに、今は疲れと面倒くささが勝った。

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