第5話 精霊のみに許された技。これで解放されるの?
「あー!なんか今日転生したばっかなのに疲れたー!もう一回マック行こうかな?」
「この短時間で日本に順応するのが早すぎるだろ!普通無理だぞ」
そういうものなのかな?
あっ、そういえばなんかもう一つ精霊の技使えるんだよなあ。
ただこっちに来てから、すごく弱い技になっちゃったけど…。
「エレメンタルチェンジ!」
「?」
ちょうどあったガラスで自分の姿を見ると、髪色が赤くなり、眼も赤くなっていた。
これがもう一つの能力…、そして、精霊でも一部にしか許されていない奇跡の技…。
自分の属性を好きに変えれるという能力だ!
それに伴って髪色と眼の色も変わる。
だけどこっちに来てから、属性を変えたところで意味がない技になっちゃった。
属性魔法が使えないから。
だから、髪色を変えるだけの能力となってしまった切ない技に…。
「かっこいいな」
「…当たり前でしょ!…そういえば、そろそろ黄昏時だなー。夜ご飯でいいとこないの~?」
「夕飯か…。回転寿司とかどうだ?薄切りの生魚を一口大の白米にのせた食べ物だ。醤油をつけて食べるんだぜ」
「へ~行ってみようかな」
••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••
かっぱ寿司…。
かっぱって何?あの緑色の生き物?
なんか口が亀みたいだし、頭のてっぺんなんかすべすべしてそう…。
あんな珍妙な生き物なのに、どうしてこんなに心引かれるんだろう…。
「あの生き物飼えないの?」
「飼える訳ないだろ。実在するかもわからない生物だぞ」
なんだ…、飼えないのか…。トホホ…
店内へ入ると、なにやら嗅いだことのない香りが充満していた。
だけど決して嫌な匂いじゃなくて、食欲をそそるような…。
「おい、待っててもダメだぞ。正面の装置で受け付けするんだ」
「これ?」
なんかよくわからないけど、カウンター席にしておいた。
反撃でもしてくるのかな?
空いていたからすぐに座ることができた。
「じゃあ俺が食い方を教えてやる!小皿を出してそこに醤油を入れて、流れてくる寿司を取って食べるだけだ!ちゃんと醤油をつけろよ」
「勝手に取っていいんだ。じゃあこれにしよ」
赤身の寿司を手に取った。
「マグロを取るとは普通だな」
「これマグロか。あっちの世界だと食わない魚だからな~。いただきます」
!?
なんだこれ、ただ白米に魚のせて醤油つけただけだぞ!?
何でこんなに美味しいんだ!?
次はこのオレンジのやつ…。サーモンって書いてあるけどあのサーモン?
サーモンって生で食べれるんだ…。
あっちの世界だと必ず火を入れる文化があったような?
…っ!?
これも美味しい!
「ここ私気に入った!全部美味しい!」
「驚くのはまだ早いぜ…!前のパネルで大トロを頼んでみろ!」
「?…んーっとこれかな?」
しばらくすると
「なんか変なの来た!」
「それは寿司を人ではなく機械に運ばせる装置だ!新幹線という乗り物が元になっている!」
「なんかよくわからないけどかっこいい!」
その新幹線とやらが運んできた寿司を手に取る。
ピンク色で脂がのっていて…
食べようとしたら、新幹線とやらはもう行ってしまった。
「行っちゃった」
「そんなことはいいから早く食えよ。飛ぶぞ?」
「…ゴクリ」
口を大きく開けて、大トロを放り込んだ…。
な、なんだこれは!?
もう口の中から無くなったぞー!!
こんなに、美味しいものを食べれるなんて、日本に転生できてよかった────…
•••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••
「1万円なくなった…」
「俺の中に入ってる電子マネーは残り2万だぞ」
「どうしよ~!お金無くなったら私生活できないよぉ!」
調子に乗って食べすぎてしまった…。
この姿でも案外胃袋は大きいのか…。
お金がもし無くなったら…、餓死まっしぐらじゃん…!
どうしよ~!!!
ボワッ
「「!?」」
今確かに炎が口から…!
寿司を食べたら炎魔法が一部使えるようになっていた。
ちょっと休息したいので落ち着いた物語にしました
次回もすぐだすので待っていて下さい
ということでさよなら