何用あって星へ
西暦二一二四年二月二二日 〇七時五〇分
「『何用あって星へ』って、あれか、『月世界』のパロディか?」
光元重工代表草壁が嘲笑気味に言った。多くの宇宙船の製造を担当する他、月面かぐや基地や日本ドックを作った光元重工の代表として出向しており、整備や製造に携わる社員のとりまとめを行っている男だった。
「題名の元ネタはそれだわな。でも草壁さん、山本夏彦なんて読んでたんかい」
JSA職員で整備・製造主任の小山が少し面白そうに言った。JSAの前には光元重工で働いており、草壁とは旧知の仲だった。
父が経営していた工場が倒産し、若手技能者として光元重工に入った小山は、〝精密機械〟と呼ばれる技能を駆使して様々な製造分野に関わり、後進の育成にも力を入れた。四十代後半にJSAの仕事に関わったあと、光元を退社してJSAに入り、活躍の場を宇宙に移していた。
「学生の頃にちょっとな。毒舌辛口は好みじゃねえし、百年も前の人だろ? ただ、勧められたんで読んでみたら、思ってたのと違っててな。少し読んでたことがあんのよ。まあ、いくつかは合わないのもあって……。『何用あって月世界へ』もそうだったなあ」
「そりゃあんたが月を〝眺める〟方じゃなくて〝穴開けて掘り返していじりまくる〟方だからじゃないの?」
尾島エアロスペース代表川嶋がぼそりと言った。固体ロケットのほか、電装系やレーザー水蒸気エンジンなどで実績があり、日本の航空宇宙産業では光元重工に次ぐ地位を持つ企業の代表として来ている。
川嶋代表の言葉に草壁は思わず変な調子で「はあ?」と返してしまったため、あちこちから笑いの声が漏れた。
「いやいや、あんたとうちとは同じ穴のナントカってやつだろ。てか、どうも気になって調べたら、昭和初期の十代後半に自殺未遂を二回とか、まぁいろいろあった人みたいだわなあ、山本夏彦って。で、何だっけ、アジ経のコラムか。書いてんのは誰だ……」
「執筆は鬼目だよ。今朝読んだ」JSA事業推進部部長の梶浦が静かに言った。
「ああ……。俺、あいつのペンネーム見ると恥ずかしくなるんだよなあ。変わってますねって言われたい中途半端な俗物の凡人にしか見えねえ」草壁が苦笑しながら返すと、梶浦が「ペンネームくらい好きにさせてやろうや」と静かに苦笑しながら言った。
古角がキーボードの操作を終えた。「ここのチャンネルCにコラムを接続しときました。よろしければ目を通してみてください」
その声に皆はさっそくコラムをスマートグラスに映しだしてみた。
○何用あって星へ
▼毎年、何兆円という国費が宇宙に消えていく。月で穴を掘り、火星で穴を掘り、木星の月で穴を掘っている。それらの周りに宇宙基地をつくって人を送りこんでいる。
▼穴を掘って鉄や水をとっているが、それらは地球にはこない。全部宇宙で使っている。地産地消である。血税を使っているのに何一つ地球にはこない。
▼そうこうしているうちに今度はよその星に人を送りこむという。先月、JSAは光より速い宇宙船の案を公開した。浪漫も人の温かみも感じさせない〈秀逸〉なデザインのように思う。
▼われわれの大先輩である山本夏彦翁のコラム「何用あって月世界へ」を思い出す人も多いのではないだろうか。昔、月はながめるものだった。今はよその星にまで足跡をつけようとしている。
▼一五五年前に米国人は月に行った。月に行くことにしたのはそれが困難だからだと大統領は言ったが、何のことはない、ライバルだったソ連に宇宙飛行で負けていたからだ。勝てれば核融合発電でも野球でもなんでもよかったのだ。
▼月に行ってどうなったか。足跡とゴミが残っただけだ。二一世紀末には月面崩壊事件で酷いことになったあげく、地球では一億を超える人が亡くなった。山本翁の言う〝ばちがあたる〟でなくてなんだというのだろう。
▼これが星に行ったらどうなるのか。それは本当にやるべきことなのだろうか。
▼何用あって星に行くのか。星はながめるものである。
鬼目変屈
あちこちから微かにざわつく声が聞こえてくる中、小山がくったくのない笑いをおさえながら言った。「設計主任さん、なんか書かれてるな。〝秀逸〟だって」
「浪漫や温かみがデザインとなんの関係があるのか分かりません。この人の言う〝デザイン〟は意匠のことだけで機能は頭にないのでしょう。意見というよりただの〝ぐち〟に思えます。読む価値はありませんでした」表情一つ変えずに胡桃沢が言うと、小山は軽く笑って返した。
チーフエンジニアの佐藤がぽつりと言った。「月などで採取した資源を地球に送らないのは、輸送にかかるエネルギーの問題。その程度はすぐ調べられると思うんだが」同意の声が多くあがった。
「批判対象は太陽系外への有人飛行なのか、有人宇宙活動そのものなのか……。有人宇宙活動そのものの見直しへと誘導しているような感じにもみえるなあ」
「やまもとなつひこ……」設計の伊野波がつぶやく。
「昭和時代から平成時代初期の文筆家ですね。ここのライブラリにそろっています。晴天文庫の二一世紀Cだからあとで読むといいでしょう」佐野所長がそう言い、伊野波は礼をした。
古角が言った。「山本さんについてはひとまずおいておいたほうがいいと思います。理解するには執筆者の生き様や時代について予備知識があった方がいいと思いますが、今回のは鬼目さんのコラムの方ですので」
「古角さん、これって……、広報としては反論でもしておくんでしょうか?」松山プロマネが聞いた。
「今回のに限らず、個別の反論はしません。きりがないです。ただ、こちらの見解は早々に、且つ、複数回を公開する予定です。一般の方々の印象が悪化するのはできるだけ避けたいですし」
梶浦は手を組み、左右の親指を合わせて見つめながら静かに言った。「世論は気にせず、このまま行くという手もあるが」
「……『何用あって月世界へ』が書かれることになった旧米国の『アポロ計画』は、広報の成果でもあります。大衆の興味を強く引いたことが予算獲得につながり、興味が離れたことがアポロの打ち切りと火星への計画が断念したことにつながっています。
日本でも二一世紀初頭の工学実証機『はやぶさ』の例があります。当初は一般にはほぼ無名でしたが、トラブルと解決を繰り返すうち注目が集まり、〝現象〟と呼ばれるほどの関心を得ることができました。その後どうなったかは皆様ご存じの通りです。あのあと一般からの寄付も受け付けるようになるなど、組織のやり方にも影響を与えています。
このように、世論を無視することはできません。
わたしたちが宇宙を活動場所と定めて、国のお金を使って機械や人を送っている以上、宇宙へ、星へと行く目的を、平易な言葉で――建前だろうとなんだろうと――一般の方々に話す義務があるはずです。
……ですので、たまたま今朝公開されたこのコラムを引き合いに出して、皆様の想いを一度お聞かせいただければ、今後の参考になると思いまして」
「文章はこれから書くの?」梶浦が聞いた。
「『何用あって~』をネタにしたコラムはたぶん書かれると思って、草稿段階のをいくつか用意しているんです。向こうが昭和時代の方を引き合いに出すのなら、こちらもしてみようと思いまして、小松左京さんの作品を引用したものなどを書いています」
何人か、ああ、と言う声が漏れた。二二世紀にも読者は多い。
「作品は?」と梶浦が聞いた。
「小説版の『さよならジュピター』です。第四章『大赤斑』の6『輪と雲と渦と…』の真ん中辺りに出てくる主人公の長文台詞の一部を。晴天文庫の二一世紀Dに入っています。
要は――例のコラムの文を引き合いに出すと――星はながめるだけでいいのか、ヒトの知性は宇宙の美しさをたたえる詩を作るためだけのモノなのか、使ってはいけないのか。そういう問いかけの台詞を引用してみようと思っています」
「問いかけ、か」草壁がぼそりと言った。「鬼目が使っていた山本氏のコラムは断定口調だった。それに対するのが問いかけの口調では、与える印象が弱くないかな」
「中身がどれだけ自分勝手なもんだろうが、どれだけ出鱈目だろうが、ヒトは断定口調の方を好むもんだ」川嶋が遠い目をしていった。「反感も買うが、無批判で信じ込んでしまう連中も多い。でなけりゃ宗教なんて流行らんだろう」
「それについてですが――、あえて問いかけのままで草案を書いてます。引用は引用として、こちらの言い分は断定口調にすることも考えましたが……そぐわないと思いまして。
実は似たような台詞で、且つ、断定口調とまでは言いませんが、わりと言い切っているところはもっと前にもあるんです。ただ、〝運命論〟を持ち出しているので、引き合いに出すのは止めておきました。一部で有名な無重力セックスシーンでの会話なんです。さすがに運命論はちょっと、JSAのコラムとして出すのはふさわしくないのではと思いまして」
「嘘も方便、とは言うがな」梶浦が言った。「断定口調にするのも方便かもしれん」
「梶浦さん。そいつはどうかと思う。そこを変えてしまうと、大げさかもしれんが、わしらは違うモノになってしまう気がする」小山が言った。
「わしらの根っこは技術者だ。モノを作る立場の人間だ。技術者は正直でなくてはいかん。研究者もそういう類いの人間のはずだ。嘘をつけば絶対に返ってくるし、信用を失う。管理や経営や運転の人間もいるが、それでも基本は技術者や研究者のはずだ。違うだろうかな」
「分かっていても、仕方なく違うモノにならざるを得ない時があります。例えば他国との交渉の場合――」梶浦は途中で言葉を止めた。「――いや、すみません。話が大きくそれましたね」
「小山さん、ちょっと熱くなってるかな」佐藤が少し笑いながら言った。
「ああ、いや、さすがに大げさすぎたわ。梶浦さん、すまん。古角さんにも、申し訳ない」小山は佐藤の方にも軽く頭を下げた。
古角は少し頭を下げ、軽く礼をした。
「誰だっけな、鍋に入れるとおいしいやつに似た名前……」物辺が突然切り出した。
「ああ、マロリーだ。そう、『Because it's there.』 宇宙に行くのは『そこにあるから』ですか? って時々聞かれるんですよ、私の場合」
皆の視線が物辺に集まっている。
「私が宇宙に行く理由は公式のプロフィールにあるとおりです。ただ、もっと簡単に言えば、『行ってみたいから』の一言になるでしょうね。そこにあるからってのはわりと近いのかもしれません。
これを理解できない人たちがいることはよく知っています。だから面倒くさくなるので滅多に言いません。このコラムにしたって、一〇〇年前のも含めて、私は何も思いません。ただ私は、遠くの星に行けるなら、行って、見てみたいだけなんですよ。何用あって? 用なんか知るかって。用なんて無くても俺は行きたいんですよ。バチが当たるとか訳が分からないです。バチを当てるのは神様だろうけど月面崩壊は人災でしょう。神様が、なんて言い出したら神様に怒られますよ」
誰も声は出さない。
「これを自分のお金じゃなくて国のお金でできるってんだから、こんなに嬉しいことはないですよ。私の稼ぎじゃ月に行くのにも長期ローン組まないと無理なのに、よその星に行けるチャンスが舞い込んで来たってんだから大喜びなんです。まあ、そういうことができるご身分になるまでがむちゃくちゃ大変だったんですけどねえ」
松山プロマネが厳しい表情でこちらをじっと凝視しているのに物辺は気づいた。「――はい、全部本音です」
曽我が言った。「――まあ、はい。私もそうですね。行ってみたいの一言に尽きるかな。コラムについても物辺と同感です」
「自分は……、そこまでの想いはないのかもしれません」茗荷谷が言った。
「ご存じかと思いますが、自分は元、空自の人間です。右脚を持って行かれて操縦ができなくなりました。それでこちらに来たのです。宇宙船の操縦にフットペダルは使いませんし、木星大気圏を飛んだチュウヒも、ヨーイングは手元で操作しました。自分の能力を活かすことを実行していたら、こうなっていた、と言うのが実情です。
ただ、ここでもし日本が有人宇宙活動を止めてしまったら、ほかの国家、組織とどんどん水をあけられてそのうち追いつけなくなるでしょうね。特に米連合とロシアは止めないでしょう。どれだけ犠牲が出ても」
「月で千人が死んでも、戦争で負けても、宇宙からは引かなかったな、アメリカさんは。今は西と南のアメリカさん、と言うべきか」草壁が言った。
分裂したアメリカの中でも、旧都ワシントンD.C.を含む北部~東部は、アメリカ民主共和国連合となって宇宙から手を引き、ワン氏一族による圧政が敷かれていた。現在宇宙活動を続けているのは西部アメリカ連合と南部アメリカ連合だった。
茗荷谷は続けた。「南部アメリカ連合に〝スペースミラー記念碑 〟があります。大きな黒い石板で、宇宙計画で亡くなった方の氏名を刻んでいます。月面崩壊事件の後に石板を二枚追加して、月面とその周辺で亡くなった一〇二三名を記しました。その際、さらに新しい石板を三枚、追加で建てています。それだけの覚悟があることを、内外に示しているんでしょうね。
これらは〝開拓精神〟と言うやつでしょう。開拓精神は――様々な面がありますが――建前としても使われますが、本音でもあります。それは間違いありません」
長谷部が口を開いた。「コラムに関しては……、こういう人はいるよな、と思っただけですね。私が昔居たところの人間は、みんなこういう考えばかりでした。それで、他国が成功すると日本はダメだと非難ばかりで。とにかく文句しか言わない。ほかにもいろいろありまして……。そういうのには正直飽きました。
私はね、その手のクソつまらない連中の居ないところで活動したかったんですよ。幸い、操縦士としての素質があったようで――その後も一度くだらないことがありましたが――なんとか頑張ってここまでこれました。
……、こんなの喋るつもりはなかったんですが、物辺さんのしゃべりを聞いたら、別にいいか、と思ってしまいましたよ」
「え、俺のせいなの?」思わず物辺が言った。「何かあったら俺が責任執るのか。というか何かあったらって何があるんだ」
曽我が物辺を押さえるのを見てから長谷部が言葉を続けた。
「何用あって、と言われたら、聞き飽きたかもしれませんが、人類社会のバックアップ作成と社会そのものの拡大が一番でしょう。現在の人類はいつでも絶滅できる可能性が大きくなりました。富士山噴火は、文明を終わらせる〝破局噴火〟の可能性を思い起こさせました。戦争も未だになくなっていません。
太陽系外への進出と植民は、現在取り得る選択肢の一つです。選ばない手はありません。過去の植民地支配を拡大しただけかもしれませんが、過去の地球と違って太陽系外の天体には、虐殺されたり奴隷として使われる現地人は居ません。まあ、おそらくは、ですが。
古角さんらが見解を公開するのは賛成です。鬼目って人はともかく、影響を受けそうになった読者に違う意見を提示して考えてもらうのは必要だと思いますので」
松山プロマネが厳しい表情でこちらをじっと凝視しているのに長谷部は気づいた。「なんでしょう?」
「いや、長谷部さんがA2の船長になったとして、向こうに行ったあと再びこっちに帰ってくるのかな、と。クソつまらない連中が大勢居る地球の方へ必ず戻ってくるのかな、と……」
長谷部は少し笑って答えた。「もしも、ですが、A2ロケットが私の所有物で、向こうが長期間生活可能な状態になっていれば、戻らないでしょうね。そうじゃないので必ず戻りますよ。私のじゃないものを持ち逃げするのは、クソつまらない連中がよくやることだし、私がするつもりはありません。――必ず戻ります」
松山プロマネは視線を下に落としてしばらく黙り込んでいたが、やがて頷いて姿勢を元に戻した。
草壁が口を開いたが、少し考えたあと何も言わずに口を閉じた。佐野所長と目が合ったが、草壁はゆっくりと頭を横に振った。川嶋も横目で草壁を見たが、何も言わずに視線を戻した。
佐野所長が言った。「すみません、予定を二分超えてしまいました。テスパイ四名のお話が聞けたところできりがいいかと思いますが、古角さんよろしいでしょうか……、はい、ありがとうございます。
胡桃沢主任も質問がありましたね。すぐ済むとのことでしたし、次は胡桃沢さん自身による超光速推進関係のお話ですので、質問を先に終わらせてしまいますか。はい、ではどうぞ……」
胡桃沢が言った。「今朝の朝食ですが、あのメニューは週一か何かで出てくるものなのでしょうか。献立表には載っていないメニューでしたので気になりました。会議室に来てすぐ尋ねれば良かったのですが、他の話を優先したもので」
え……、という声が数カ所から出てきた。佐野所長は少し離れて座っている日本ドック広報の女性と何か話している。胡桃沢の近くでは、古角と梶浦がなにやらこそこそと話をしている。
「胡桃沢さん、日本ドック広報の佐伯です。すみませんが、内容はどのようなものになっていたでしょうか」
「トレイの中に、四本の細長いトレイがあって、すべてペースト状の物体が充填されていました。色はオレンジ、緑、白、茶色――失礼ですが、何か」
中にあったペースト状の色を言っている途中で、佐伯広報が笑い出した。
「も、申し訳ございません。それは栄養士の福田さんがこしらえた特別メニューです。初めてこのドックに来た皆さんに、レトロな宇宙食を召し上がっていただこうと考え出されたもので、言うなればサプライズメニューなんです。確か今回皆様に提供したのは……、映画『2001年宇宙の旅』のディスカバリー料理ですね。配色から見て、〝プール〟版だと思います」
「そういや」松山が言った。「私のもペースト状のだったな。色はオレンジや緑はなかった。黄色と茶系が三種類だったような」
「〝ボーマン〟版ですね。お味の方はいかがでしたか?」
「おいしかったですよ。もう一度食べたいくらい。ああ、サプライズだったのか。気にせず食べてしまったな」
「すべて食感も味も異なっており、大変おいしかった……、です」
「好評だったと、福田さんにはお伝えしておきますね。他にもサンドイッチを考えていたとかおっしゃってましたね。チキンやハムなどができるそうです。原料はアレですが、味はそっくりですよとのことでした」
ham,ham,ham,ham と言う声と、くぐもった笑い声が聞こえた。古角と梶浦だった。恐らく元ネタをよく知っているのだろう。
松山が言った。「所長、私にも黙ってたんですね」
佐野所長が笑顔で言った。「ここでの暮らしは基本的に単調だから、たまには何か変わったことをやらないと気がもたんのです。当然、度の過ぎたいたずらは御法度ですが。
ではよろしいでしょうか、胡桃沢設計主任」
胡桃沢は肯くしかなかった。
山本夏彦: (1915-2002)文筆家。昭和時代から平成時代初期にかけてコラムなどを多数執筆。
「何用あって月世界へ」: 「週刊朝日」に連載していた山本夏彦によるコラムの一篇。単行本『毒言独語』(実業之日本社・1971年9月)及び文庫本『毒言独語』(中公文庫・1980年5月)に収録。
晴天文庫: 保護期間を過ぎて著作権対象外となったテキストを集め、誰でも無償で読めるようにした書庫サイト。多くの協力者の元、長年運営されている。
『さよならジュピター』: (連載小説1980 実写映画1984)小松左京によるSF作品。二二世紀、太陽への衝突コースを進むブラックホールに対応する人類の奮闘を描く。映画用シナリオ第一稿を元に小説版と映画版に分かれる。
ジョージ・マロリー: (1886-1924)英国の登山家。エベレスト登頂時に行方不明となる。遺体は一九九九年に発見。エベレストに登る理由を聞かれたときの返答が有名。
スペースミラー記念碑: 訓練中を含む有人宇宙飛行関連で亡くなった人を追悼するために作られた記念碑。ケネディ宇宙センターの来訪者用施設群の中に建てられている。一九九一年に完成。
『2001年宇宙の旅』: (映画・小説1968)スタンリー・キューブリック監督によるSF映画及びアーサー・C・クラークによるSF小説。モノリスがヒトザルに進化の促進を及ぼした後の現代、月面地下から謎の石板が発掘され、解明のため有人探査船が木星へ(小説では土星)赴く。映画と小説は平行して製作された。