黒の a-2
しかしまずいことになったな、
「くぁーーふぁあ...」眠そうに俺はあくびをする。
「だーから早く寝なさいって言ったでしょー」誰のせいだと思ってるんだ...
「魔法構築はまず線からその次に平面をつくる。その後立体に組み上げる。こうすることによってより密度の濃い魔法を使うことができる。ではこの魔法をより効率化するためには、、、赫黒!答えてみろ!」
「えーと、平面術式から構築を開始します。」
「違う!何度言ったらわかるんだ!!お前みたいな無能はせめて勉学で点数を取らなきゃ行けないことがなんで分からないんだ!!」魔法学のミストラ教授は今日も面倒くさい。
「しっかしあんたはどうするの?本当に"今の"あんたは無能なんだから次の模擬戦大会で加点貰えるわけじゃないでしょ?」
「そうなんだよなぁーネコヤマはカタカナだからなぁー」
『ここでお知らせでーす!!僕はしばらく夢に出ることができないからメッセージ!!カタカナとはこのヒノクニ王国の貴族の象徴!学園内では様々な恩恵があるよ!
そして模擬戦!正式名は剣術模擬戦大会!優勝者には100点の実力考査の加点が入るよ!!ルールは簡単バトルロイヤル式で、殺す、戦闘不能、場外で勝つ!"みんなの世界"の漫画なんかでよくあるよね?もちろんこの時の殺すってのは身代わり人形を選手に付与しているから実際に死んじゃうことはないよ?負けた時は...あっまたそういえば禁句を言っちゃった!!それじゃ仕方ないじゃあねー!!』
なんだ?今のは...
「...うねー、私も減点やばいかもーって聞いてる?」
「あぁ、ごめんちょっと考えてた、減点の話だけどさ、なんとかなるかもしれない。次の模擬戦で優勝したら、確か加点100点だったか?」
「えぇ、そうだけど...まさかあんた!!"アレ"を使う気!?政治界が混乱するわよ?」
「考えがある。...」
模擬戦大会当日~
「さぁ始まりました!ヒノクニ王国立魔法剣術高等学校名物!模擬戦大会だァ!!実況はムニイチ京吾郎です!勝てば100加点負ければ10加点!さてw今回も、強制参加の赫黒くんw可哀想だなぁw」
俺は嫌な意味で有名だ。赫眼は貴重と言われ、重宝されるが、黒眼は無能だ。少数派の。
「第1回戦!...よういスタァッーット!!」
「さて、どうしたものかね。」俺は立ち止まり考える。...振りをした。
「いたぞ!無能だ!俺が狩る!!」
「ちょっと私の獲物を取らないでよ。こっちは6ヶ月前からイメトレしてたのよ?」
「うっせぇー知るかぁ!!」
『遅い』次の瞬間話していた3人はゲームアウトしていた
「おぉっと!!早くも3人抜き!!この称号は一体誰の手に...は?対象者...黒/赫黒眼...」
『モードチェンジ。コード黒to淡蒼』
「速さが取り柄のこの眼だったら君ら手も足も出ないよね?緑と白の人...」今回の試合に2等級以上の人はいない。なら、この眼で十分戦える。俺は負けられないんだ!!
「一体何が起こっておる!!彼は...彼は黒だろう?」
「いっ...いや!不正だ!そうだきっとそうだ!!」
「だとしても、どうやって黒が3人も目で負えぬ内に...」
そう。この時点で誰も彼の眼に気付いてない。何も見えていないのだ。その光景は黒眼の剣士が次々に移動し、そのまわりで人が倒れ、身代わり人形の認識が黒、すなわち眼の倒した判定に染まっていく。極めて異例で奇妙な光景だった。