戦いが終わって
訂正:金髪の少女→栗色の少女
何度もすいません。。。
「んぅ……ここは」
「あ、やっと目が覚めた!!」
目を覚ますとそこはディダードの医務室、そして少女がアカの顔を覗き込んでいた。あの時居た栗色の髪の少女である。
「君は、あの時の……」
「そう!! 私は『ハロ』、助けてくれてありがと!!」
そう言って少女ハロは満面の笑みを浮かべた。その表情を見ているうちに、アカはジワジワと「自分が彼女を救ったんだ」という実感が湧き、自然と顔がニヤケてしまう。
「……えへ」
「あーお楽しみの所で悪いんだけど僕の事も忘れないでね?」
「あ、医者さん居たんですね」
「ぐっ、我ながら影の薄さが憎い!!」
アカの純粋な言葉にダメージを負う医者。だがハロにしてはもう日常の光景であった。
「もう、仕方ない人ね……良い? アンタ、あれから3日も寝てたのよ」
「み、3日も!?」
聞けばカバとの激闘後、意識を失ったアカは使用人によってはディダートに運ばれ医務室で治療されてたらしい。
因みにオークションはアンラ・マンユメンバーが暴れた結果中止、それどころか主犯であるフーニスは捕獲。囚われていた奴隷達は首輪を外され殆どが開放、幼い子供達は団長の知り合いが経営している孤児院にしばらくお世話になるようだ。
「えっとハロ、さん」
「ハロで良いわ」
「じゃあハロはどうしてここに?」
知らない間に色々と進んでいたみたいだが、結局ハロがここに居る理由は分からなかった。
しかしハロは「何でそんな当たり前の事を聞くの?」と言いたげに顔を傾ける。
「そりゃあアンタに助けて貰った恩を返してないし、団長さんに拾われちゃったし……兎に角!! これからここで暮らすから!!」
「そ、そっか。じゃあ改めて、俺はアカ。よろしくなハロ!!」
「えぇ!! こちらこそよろしく、アカ!!」
新たに仲間となったハロにアカは快く挨拶を交わす。そんな様子を見て勝手にダメージを受けている者が1人……医者である。
「青春だなぁ……僕には無かった青春。グスン」
「また貴方様は発作を起こしているのですか……」
「あ、使用人さん!!」
「おはようございますアカ様」
「おはよう!! それと、ここまで運んでくれてありがとうね」
「使用人として当然の事をしたまでです」
嘘である。この女、ディダードの業務を忘れる程アカの事を心配し過ぎていた。
「それでは入浴場に行きましょう。清潔にしていたとはいえ、やはりお風呂に浸かるべきです」
そう言ってアカの腕を取り、入浴場を向かおうとする使用人。その無駄のないスムーズな動きに反応が遅れてしまったが、アカはすぐに立ち止まった。アカも思春期、女の子が気になるお年頃。流石に使用人と一緒のお風呂は恥ずかしいのだ。
「え、ちょ!! ひ、1人で入れるから!!」
「いけません。アカ様は病み上がりなのですから私とハロがお手伝い致します」
「わ、私も!?」
「当然。アカ様から受けた恩をお忘れですか?」
「ぐっ、そう言われると……えぇい!! 女は度胸!! 行くわよアカ!!」
「ハロまで!? 医者さ、たすけ!!」
「素直に羨ましいから早く行ってきなさい」
「そんな、医者さぁぁん!!!!」
段々小さくなっていくアカの姿に、医者は静かに親指を上げ見送った。
※タオル着用 アカ君の教育に悪いからねしょうがないね。
因みにハロちゃんはアカ君より1,2歳↑。頼れるお姉ちゃんキャラです。
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