過去の因縁
いつもよりPV伸びててビックリした。
「アンチ、ヒーロー……!? ぐッ、あああああああああああ!!!!」
突然、アカの体に膨大な力が流れ込む。体の中から喰われているような、存在ごと変えられているような強い衝撃がアカの体に襲い掛かったのだ。
「あああ……はぁ、はぁ、はぁ」
「____!! ____!!!!」
「はぁ、はぁ、何だ……?」
全身が焼けるように熱く、汗が滝のように流れ出す。ようやく落ち着き肩で息をしていると何やら周りが騒がしい。アカがゆっくり顔を上げ周りを見渡すと、そこは逃げ惑う人々で地獄と化していた。
「ぎゃああああ!!」
「ぺ、罪作りな男だぁぁぁ!!!!」
「嘘だ、何でこんなところに居るんだよ!!」
「嫌だァ!!!! 死にたくない!!!!」
どうやら団長の異名はアカが思っていたよりも有名なようだ……ただし、悪名として。
「アカ」
「は、はい!!」
「俺相手に吠えたんだ。やるからには全部ぶっ飛ばせ……良いな?」
「ッ!! はいッ!!」
勢い良く返事をし反英雄がステージへと駆け出すと、タイミングを見計らった使用人と傭兵が団長の隣に立ち声を掛けた。
「ついにお与えになられたのですね」
「あぁ。この俺相手に啖呵切ったんだぜ? これ以上、英雄に相応しい奴が居るかよ」
"ニイッ"と口角を上げる団長。その様子を見て使用人は嬉しそうな……何処か悲しそうな顔をする。
「さぁ門出祝いだ。傭兵、使用人____暴れて来い」
団長は2人に許可を下す。
「畏まりました」
「はいよ旦那ァ」
アンラ・マンユ幹部最高戦力の適正道具使用許可を。
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ステージに上がったアカはそのまま少女の下へ向かう。どうやら司会者や警備員などは団長に恐れ逃げてしまったようだ。
「大丈夫か!!」
「あ、あんたは……」
「俺は、君を救いに」
「アァァァカァァァ!!!!」
「!? くッ!!」
鎖に繋がれた少女に近づこうとするが、それは叶わなった。突然自身を呼ぶ声と共にメイスが頭上に降りかかったからだ。アカはすぐさまケースから金属バットを取り出し、攻撃を防ぐ。
「ははははは!! まさかまた会えるとはなァ、アカァ???」
「まさかお前……"カバ"!?」
襲撃者の正体はカバ……しかし、その姿は4年前と比べ傷だらけ、コーザと一緒に居た頃の雰囲気など微塵も残ってはいなかったのである。
「あ? カバ"さん"だろうがァ!!」
「ぐっ!? さっきより、重……!!」
もう一度メイスを受け止めるアカであったが、先程よりも攻撃が、否メイスそのものが重い。
「それがホンキかァ??? 弱っちいなァ!!!!」
「ぐ、がはっ!!」
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「良いかァ? 大前提として同じ道具でも自覚者とそうじゃねェ奴が使うんじゃあまるで違う。自覚者に持たれた時点で道具の耐久力やら効果やらは2、3段階上がるんだが。そっから更に便利になんのが適正道具って訳だ」
初めての戦闘訓練の際、まずアカが教わった事は適正道具についてであった。
傭兵はいつの間にか使用人が運んでいたボードに3種類の絵を描き説明を続ける。
「適正道具がもたらす能力は主に3つ。道具の性能を高める"強化"、道具の形状を変化させる"操作"、道具に人々が抱いた"幻想"。強化は剣の切れ味を上げるだとか、操作は箒を浮かせるだとか、まぁそんな感じだな。空想系は道具の持つイメージの力ァ……まぁ、その他だ」
「その他って」
「最近の若ぇのはSFなんざ知らねぇだろ。説明がめんどくせェんだよ」
頭を掻き面倒臭さをアピールする傭兵。にしても両目に短剣ぶっ刺した男とこれから訓練するなんて不気味過ぎる。
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質量×速さ=威力。メイスが抱く幻想【質量増加】によって、更に増加する質量はメイスの威力を引き上げ、遂にアカは耐えきれず壁に吹っ飛ばす。
「よえーよえーかりーかりー!! こんなもんかよォ、エェ???」
「くッ……」
壁に打ち付けられたアカを嘲笑うカバ。この4年間、何も強くなったのはアカだけではない。カバもまたフーニスの奴隷として数々の死線を乗り越え、今や男爵級の実力を手にしていたのである。
「ははははは!! このだんしゃく? な俺さまに殺されろォ!! アカァ!!」
カバは壁に向かって走り出し、狂気の笑みを浮かべながらアカの眼前にメイスを振り下ろした。
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「それでだ、アカ。お前の場合、操作も幻想も使えねぇから気にすんな」
「えぇ!? じ、じゃあオレはどうすりゃ良いんだよ!!」
「そう慌てんな。なぁに簡単な事だ……」
傭兵は"ニイッ"と口角を上げる。
「俺になれば良い」
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アカはこの4年間ひたすら強化だけを修行してきた。人を瞬殺出来る化け物相手に
その結果__
「フルスウィング!!!!」
アカの金属バットがカバのメイスを木端微塵したのである。メイスが脆かった訳じゃない。それ所か特注品レベルの頑丈さを誇る代物。
だが、アカはそれを上回る。
「あ? はぁあああ!?!?」
「凄い……」
少女は未だ全てを理解出来ていない。だが、もしかしたら目の前に居る赤髪の少年がこの絶望を壊してくれるかもしれないと、小さな希望が胸に生まれたのであった。
「来い!! まずはお前をボコしてやる!!」
アカはそう言って"ニイッ"と口角を上げた。
過去敵との再会にシンプルな能力とか、アカくん王道主人公過ぎる。。。
モチベアップのブクマ☆感想待ってます!!
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