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ANTI HERO~悪が望む英雄譚~  作者:
反英雄の誕生
12/24

ディダード探検2

 小屋の扉が一瞬で閉められ、2人の間に気まずい空気が流れる。空気に耐えきれなかったアカが口を開く……が。


「い、今のは」

「閉める出ないわぁぁ!! この小娘がぁぁぁ!!!!」

「うわぁ!!」

「……もっと普通に出られないんですか貴方は」


 バァン!! と扉が勢いよく開かれ、白衣とゴーグルを身に付けた白髪頭の老人が飛び出してきた。使用人は面倒事を見る目をしながら溜め息をつく。


(あ、あの時、ホールに居た)

「ぬ、お主が実験体か。名は?」

「アカ、です」

「そうか。では改めて……ワシは『博士』。ようこそ!! 我がラボへぇぇぇ!!!!」

「……」

「……」


 目を全開にして自己紹介をする姿に、アカは驚き、使用人は呆れた。


「くくく、アカよ。今『これがラボ?』とでも思っているのだろう?」

「えっ、いや」

「このおんぼろ小屋はワシが農業するための仮の姿ぁ……見よ!!!!」


 アカを置いてきぼりにして話す博士。

 確かに中は農具や工具だらけで、唯の小屋のように見える……そこにある()()()()()()()()を除けば。博士は勢いよくレバーを引くと、突然棚が左右に動き、なんとそこにはエレベーターが現れたのである。


「おぉ!!」

「さぁ!! ついて来るが良い!!」


 博士を先頭に3人はエレベーターに乗り、今度はボタンを押す。ガゴンッ!! と大きな音が鳴り、壁が無く剥き出しのエレベーターは音を立てながらゆっくりと下に降りていく。


「これが!! 我がラボの真の姿ぁぁ!! その名も、"地下研究室"じゃあぁぁぁ!!!!」


 地下研究室、一部にしか電球が取り付けられてらず全体的に薄暗い。それに加え、至る所から噴き出す煙、謎の生き物が入った水槽、大量の書類と怪しさ満点の空間であった。


「ここでは飼育室の全ての生物を管理・研究しています」

「わしの台詞を取る出ないわ!! 小娘!!」

「貴方が話すと日が暮れます」


 アカはここまでのやり取りでなんとなく察した、2人は相性が凄く悪いのだと。仲裁する術を持っているはずも無く、苦笑いをしてやり過ごすしかなかった。


「ぐぬぬ、アカぁ!! このラボは畜生共の研究だけじゃないぞ!!!! なんとぉ!! ディダード内のシステムは我がラボで開発した発明品なんじゃあぁぁぁぁ!!!! くわぁぁっはっはっ!!!!」

「あぁなったら手遅れです。行きましょうアカ様」

「え!? うん、わかった」

「くわぁぁっはっはっはっ!!!! ごふぉごふぉ!! おぇ」


 博士は己の成果を盛大に自慢するが、使用人によって話は切り上げられる。

 その後、盛大に咽る博士を尻目にアカ達は部屋を出たのであった。




~~~~~




 次に案内された部屋には、洗濯機、ミシン、キッチン、掃除用品と様々な道具が置かれていた。


「ここは"総合室"、主に私の作業場です」

「使用人さんの……なんか多い気が」

「ディダード内の洗濯、裁縫、料理、掃除などは全て私が行っておりますので」

「すべて!? ひ、1人で?」


 使用人の仕事内容に驚くアカ。とても1人で出来る量とは思わなかったからだ。

 しかし、当の本人は問題なさそうに質問に答える。


「はい、私の適正道具(ソウル)を使用すれば可能ですから」

「使用人さんの?」

「私の適正道具(ソウル)は__」


 数分後、使用人の適正道具(ソウル)について一通り説明し終えたアカ達はそのまま総合室で昼食を食べ始めていた。因みにメニューはおにぎりである。


「__という訳で、ここで作った料理をホール、別名会議室に運んでいるのです」

「ふーん、何で昼食は集まらないの?」

「皆様それぞれ仕事をしている為、別々に昼食を頂いているからです。故に皆様で集まって食べるのは報告会としての意味もあるのです」

「そうなんだ」

「それが楽だからと言う理由もありますが」

「そうなんだ……」


 アカ達は雑談をしながら昼食を食べ終えるのだった。




~~~~~




 次に案内された部屋はまるで物置のような場所であった。剣や弓、皿や時計など種類に統一感は無く、大量の道具で部屋が埋め尽くされている。


「ここは"鍛冶室"。武器はもちろん、様々な道具をここで製作しております。では、こちらへ」


 物が溢れかえっている中、唯一道らしき場所を進んでいく。すると、遠くから"カーンカーン"と金属音が聞こえて来た。道なりに沿って進むに連れ音は大きくなっていく。


 アカ達が部屋の奥に辿り着くとそこには開かれた空間があり、1人の男が鉄の塊に向かって槌を振り下ろしていた。しかしその手はアカ達が辿り着くと同時にを止めてしまった。


「ここは女子供が来るところじゃねぇぞ」

「ご主人様から連絡があったはずですが、『鍛冶師』様」

「知るかよ、そんなこと」


 使用人に悪態をつく褐色肌の大男。手ぬぐいを頭に巻いており、作業服が所々汚れていた。

 使用人との話が終わると、鍛冶師はアカをギロリと睨み付ける。数秒見つめ続けた後、鍛冶師は腰を上げ、こんな質問をアカに投げつけた。


「おい」

「は、はい」

「もし、俺が()()()()()()()()()()つったら……お前どんな道具が欲しい」




使用人さんのソウル説明はまたの機会に…


おまけ(見た目イメージ)

博士:マッドサイエンティストのハゲ頭

鍛冶師:頑固親父


コレでメンバー全員の紹介が終わりましたね(やっとこさ)

あ、次でディダード案内は終わる予定です。


モチベアップの感想評価ブクマお願いしまうま。

Twitter→@iu_331

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