間話 飛行機の維持費
ちょっと本編とは関係ない?お話
飛行機ってとっても高いんでしょう?
とよく言われる。確かに、新しい飛行機(車でいう新車)を買おうとすると、セスナ172クラスでも5,000万円くらいするらしい。が、中古機はピンからキリまでいろいろで、中には安いがいわく付きというものもある(らしい)。事故歴などの調査は購入者の責任によるところが大きい。小型機でも50年くらいは乗れるので・・・。
以下は、ある一例である(熊本のPエプロンに置いた場合)
機体:Cessns172NAT
製造年 1980年
日本での登録1980年
日本での改造1986年(Cessna172N → Cessna172NAT)
購入年月:2015年4月
購入金額:300万円(エンジンの残時間 60h,プロペラの残時間 1200h)
状態 :格納庫内で長年放置(耐空検査切れ)ただし、エンジンは月1回、地上運転していた模様
購入後整備:170万円(耐空検査、パーツ交換など)
・・・・・と、飛行機が飛べるまでに、ここまでかかっています。
=維持費(固定費)=
定置場代:24,300円/月(税別)
保守契約料:40,000円/月 (税別)
保険:450,220円/年
耐空検査代:350,000円/年(税別)
耐空検査申請:50,400円/年(税別)
耐空検査諸費用:350,000円/年(税別)
注)オイル交換、フィルタ交換、パーツなど・・・
無線検査代:108,500円/年
=維持費 (ランニングコスト)=
燃料(AVGAS) 30L/h → 322円×30=9,660円(税別)
注)今とは税制が異なる。2020年6月現在、{278円+18円(AVGAS燃料税)=296円(税別)}
オイル交換(7Q):10,920円(50h飛行ごと)
50h点検:0円(保守管理料毎年1回分がサービス)
(耐空検査または、直前の100h点検から50h以内で実施)
100h点検:70,000円(100hごと)
(直前の50h点検から50h以内に実施)
オイル補充代(1Q):1,560円/10h
着陸料:1000円(税別)
注)空港によっては金額が異なる空港もある。
安い空港(長崎県の離島)や高い空港(中部セントレアなど)あり、薩摩硫黄島のように0円もある。
航行援助施設使用料 132円(1フライトごと)
あと、エンジンとプロペラは2,000hごとに交換になります。
エンジンは、ざっと500万円くらい、プロペラは交換したことがないので聞いただけですが100万円くらい(らしい)。
なので、1時間あたり、3000円かかることになる。
このタイプのエンジンは、ブレーキホースが5年ごとに交換なので、その費用が、5万円くらいかかる(らしい)
最後に、SIDが5年ごとに掛かる(内容とかもだいぶ変わるようなので、金額は整備士さんと応相談?)。
ということで、
ざっと計算すると
維持費(固定費) 2,167,860円(ホース代込、SID除く)
ランニングコスト(エンジンの償却、プロペラの償却を含む) 14,656円
その他 1フライトごとに 1,100+132=1,232円かかる。
つまり、年間100時間乗る人(セスナに乗っていた時のワタシ)は、
3,756,660円
使っている計算です(どおりでいつもビンボーなわけだ・・・)。
使用事業で使われている機体は、もっと厳しい整備がされるので、更に費用が掛かります。
(自家用車とタクシーの違いのようなものか??)
熊本は他より整備費は安いです。耐空検査等の整備費用は、もよりの整備士さんに相談ください(この金額より安いところは、今の日本では難しいでしょう・・・たぶん)
飛行機は人をビンボーにします。それでも飛びたい!!