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エト(カヅゾエル)2
イブに一目惚れしたエト。
ただ一つ忠告したいのが、エトはイブを性的に見ているわけではないこと。エトがイブに運命を感じたのは確かだが、それはイブを恋人としてではなく、大事な家族として見ていたわけである。
エトはイブに話しかけた。
「こんにちは」
「あら、ケルビムさんですか? こんにちは」
「ここで何をしておられるのです?」
「家事をしているのです」
そして、話は深みに入っていく……。
「辛いです。生きるのがこんなに苦しいなんて。神よ。どうか私とアダムを憐れみ給え」
その言葉を聞いて、エトの神に対するある感情が湧きたった。
イブをこんな目に遭わせる神が許せないと。
「僕が神に言って、君達を楽園に戻れるように説得するよ」
エトは神に会いに行った。