帰れぬ人。
私の家は一軒家で、1人暮らしをしてこの家に住んでいます。
5年前に亡くなった両親が唯一私に残してくれたのがこの家で
両親は車で家に帰る途中、交通事故で亡くなりました。
私にはきょうだいもいないし頼れる人もいない。
たった1人でこの広い一軒家に住んでいるんです。
部屋数も多く、その中の一室には6畳半の和室があります。
気が付くとそこには......? 大きな穴が開いていました。
あんまり入らない部屋だったから? こんな大きな穴が開いて
いる事にもまったく気付きませんでした。
そして...私はその穴を覗くと......?
みるみるうちに吸い込まれていきました。
そして気がつくと......? まったく知らない家の中に居ました。
しかも......? そこには会った事もない親子がいました。
お父さんと息子......? 私は彼らに言いました。
『あなたたちは誰ですか?』
『ママ? 何を言ってるの? 僕だよ『涼太』だよ!』
『あかり大丈夫なのか? 頭でも打ったのかい?』
『えぇ!? 私がママなの? どういう事?』
『あかり?』
『ママ?』
二人は、私の顔を覗き込むように私を見ました。
私の両親が5年前に亡くなってずっと私は1人で生きてきました。
どんな時も負けない強さを持って、ずっとずっと1人で......。
彼氏もいた時期もありますが、上手くいきませんでした。
私の事が好きだった訳じゃなく、お金目当てだったんです。
私はもう38歳で、結婚も真剣に考えた事もあります。
両親に安心して欲しいと言う気持ちから 『お見合い』 もしました。
でもなかなかいい人が見つかりませんでした。
そんな中で今起きている事を考えたら...? 両親に1度でいいから
見せてあげたかったなと思います。私が母親であり旦那様がいるところを...。
でも一瞬で我に返りました、私はこの人達の事を知らない。
『私はあなたのママじゃないのよ!』
『ママ...?』
男の子は泣いてしまいました。
『あかり? どうしたんだよ!』
『だから! 私はあなたの奥さんでもありません!』
『......』
どうしたらいいんだろう? そうだ! あの穴は何処にあるんだろう?
その前に、ここは何処なの?
『あのう? ここは何処ですか?』
『俺たちの家だよ!』
『ママ! 思い出してよ~』
『......』
◆◇◇◆◇◇
あれから1年が経ちました。そしてわかった事があります。
私、とうとう家に帰れなくなったと言う事!
ここが何処なのかわからないんです。
住んでいた地球じゃないんです。
ところどころ違う事がわかりました。使ってるお金も何もかも
違うこと。
でも私には新しい家族が出来ました。優しい旦那様と息子の涼太です。
正直、今の方が幸せです。1人じゃない!
私を愛してくれる家族がいる。
ただ気になることは、 『あの穴は何だったんでしょうか?』
最後までお読みいただきありがとうございました。




