2章 情報戦
秀一はローサの元を訪ねた。
「いらっしゃい、秀一くん。」
「ミリタリ系の雑誌買って来たぞ。」
「あらん!どうもありがとう!」
「ミリタリの関する知識を知る努力だけは惜しみないなぁ。」
「そりゃあ、そうよ!軍事で最重要なのは情報戦なのよ!」
「情報戦ねえ…。」
「旧日本軍が八木レーダーの重要性に気が付かなかったのも情報戦で遅れをとって、視野が狭くなってたせいよ。今の時代軍事で一番重要なのは情報よ。今は軍事技術の進歩でどこの国の兵器も大差なく高性能だから、戦況に決定的な差を付けるのは兵器の性能さではなく、作戦とそれを練るための情報よ。」
「珍しくまともな事を言っているじゃないか。」
「うふふ。」
「情報が需要なのが分かっているなら、この寺の娘たちの情報も少しは覚えたか?」
「そ、それは…。」
「覚えていないのかよ!」
秀一はロサの顔に水晶玉を投げつけた。
「いたたっ!ミリタリに目が眩んで忘れたわ…。」
「お前たちがもっとちゃんと他の娘とも交流できるように、全員を集めてどっかに連れて行く。」
「ええええー!!!!」
「安心しろ。出かけるのは人が居ない場所だ。この辺の山奥は全てこのお寺の庭で、人が立寄らないからな。」
「他の娘の事になんて興味ないわ…。」
「軍隊は一人じゃ軍隊にはならないぞ。他の隊員が居てこそ初めて軍隊になる。」
「私が興味あるのは人じゃなく兵器やそれに関する知識だし……。」
「言い訳するな!決めたったら決めた!お前たちを引率して出かけてやる!」
「そんな~。」
「『そんな』じゃない!」
秀一はローサに10連続往復ビンタをした。
そして、秀一は出かける準備を始めるのだった。