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その4 勘違いに気付く

 さて、投稿できないエッチな小説はさておき、本当に書きたい「桜花改」の話である。

 開発秘話と題して色々と考え、これが本命とばかりに構想を練り、いろいろと小説風のものを書いてはみたものの、挫折を繰り返してきた。

 一体何が調子よく書けない、読めない理由なのだろうか。


 ちょっとエッチな小説を、それなりに書上げてみてハタと気付いた。

「書こうとしていた小説の主人公と、読んでみたい小説の主人公は違う」

 これは、あまりにも当然なことで気付かなかった。

 エッチな小説は、主人公がエッチすること、もしくはエッチされちゃうことが主体になる。

 そして、読者は主人公かそれに準じる人物になりきることであたかも自分がエッチしている、もしくはエッチされちゃうことに対して妄想を逞しくすることで、エッチ小説は成り立っていることに気付いたのである。

 息子や娘がエッチしている、されていることを認めない親の目線や社会の規範で小説を書いているのでは、エッチな小説は成り立たないのである。

 自分が書いていたものと並べ、何に気付いたのかを、ノクターンノベルではない具体事例で説明してみよう。


 古い時代の人間なので、例えが古くて申し訳ないが、鉄腕アトムを例にあげよう。

「桜花改」あらため、鉄腕アトムの小説を書きたいと考えた。

 これが、そもそもの発端であった。

「鉄腕アトムはこんなことができるのだ」が一番初めに書きあげ、娘に「商品仕様書・企画書」と喝破された代物だったのである。

 要は機能仕様の固まりで、「だからなに」という感じの仕上がりになっていたのである。

 確かにこれでは全く面白くない。


 次に自信たっぷりに書上げた代物が、「鉄腕アトムはこんな風に作られ、活躍したのだ」の話であった。

 最初の記述とは違い、主人公をきちんと設定して書き始めたものの、間違った選択をした例となった。

 これは、鉄腕アトムではなく、「御茶ノ水博士・天馬博士の活躍」というお話だったということに符合している。

 特定の人物の視点で書かれているので、いかにも小説という感じにはなるのだが、読む側にしてみれば、ちっとも期待に沿っていないのである。

 だから、読んでもなんの感慨も生み出さない。

 これが今回の気づきだったのである。


 では、どうあるべきだったのか。

 読者は、鉄腕アトムの小説と聞くと、あの有名なテーマソングとともにアニメのオープニングシーンが目に浮かんでくる。

 それは、アトムが颯爽と空を飛んできて悪を懲らしめるシーンなのである。

 自分でも、確かにそう思う。

 読者が求めるのは、鉄腕アトムがここぞとばかりに活躍するシーンであって、天馬博士がアトムを生み出した話は、御茶ノ水博士がアトムのメンテナンスをする話は、サイドストーリーにしか過ぎないのだ。


 ならば、「桜花改」の話も、開発者はわき役で、なんのことはない。

 「桜花改」を使って敵爆撃機をバカスカ沈めるという話を中心に持ってくるのが王道ということに気付いたのである。

 場合によっては、機体の「桜花改」自体も単にわき役かも知れない。

 主人公は「XXX隊所属、桜花XXXX号」ではないのだから。


 さて、ここまで気付いたのであれば、「桜花改」の主人公は敵爆撃機を撃破する青年/少年操縦兵が適任となるのは道理である。

 「桜花改」の開発者が語る開発秘話は、この操縦兵が主人公で語られる小説で、どこかのタイミングでサイドストーリーとして語られれば良い存在となる。

 そして、アニメでよくあるパターンが、パイロットのおじいちゃんが機体の開発者、つまり親族だったというケースである。


 だが、「桜花改」に関しては、安価かつ大量に投入されることで高価なB29に対抗しようとする兵器と考えていたので、一品ものの兵器ではないため扱いが難しい。

 またまた古い例えで恐縮だが、決してマジンガーZやグレートマジンガーの世界ではないのである。


 ちょっと待てよ、確かあのパターンがある。

 量産兵器の前の試作機という設定だ。

 プロトタイプという概念を持ち込めばよい。

 試作機は1号機とか、場合によっては零号機なんて大層な名前で呼ばれていて、量産と比べて実験機らしい先進機能や隠し機能、強度や性能だって上限を上回るマージンを持っているケースがあってもおかしくない。

 ただ今回書きたい戦時中の設定で、このアイデアが使えるかどうかは定かではない。

 まあ、話の途中でピンチになった時に活用する位のネタかも知れない。


 ともかく、自分で勘違いに気が付いた。

 さあ、構想の練り直しだ。

 今度こそ無事仕上げて、小説としての初投稿をするぞ。



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