1日目 (前半)
*流血描写ありです!
血などが苦手な方は閲覧をオススメしません
よかったら読んでください!
ここはどこだろうか…?
暗くて周りがよく見えない。
ふと窓を見たら空には綺麗な月が浮かんでいた
ああ、今日は満月だったか
だんだんと目が慣れてきて部屋の中の様子が分かってきた
その部屋には見覚えがあった
窓が一つにタンスが一つ
本棚にはたくさんの本が並んでいる
窓のすぐそばにベッドが置いてあった
そのベッドには誰かが寝ていた
静かな呼吸に合わせて動く掛け布団がそこに人がいることを教えていた
その時、ドアの開く音が聞こえた
背の高い女…いや、あれは男だ
その男は右手に包丁を持っていた
男は右手を大きく振りかぶりなんの躊躇いもなくベッドのふくらみに向けて包丁を突き立てた
その瞬間、鮮血が宙を舞い、ベッドをあかく染めた
男はベッドに向かって何度も包丁を振り下ろす
何度も、何度も、何度も、何度も…
数十分後…いや、実際はもっと短いか長いかもしれないが男はふと魂が抜けたように刺すのをやめ、膝から崩れ落ちた
外は静かで何にも音がしない
ベッドでは一人の男が仰向けになり倒れていた
その時、月の光が被害者の顔をてらした
あの顔は…
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そこで目が覚めた
時計を見るとまだ朝の5時であった
まだ早い、と二度寝しようとしたが眠れる気がしなかった
男はゆっくりと起き上がり台所へ向かった
男は台所でヤカンに水が入ってることを確認して火にかけた
しばらくして
ピーッ!と湯が沸いた合図がした
ヤカンの火を止めインスタントコーヒーに湯を注ぎ最近ようやく飲めるようになったコーヒーを作った
男はソファに座りテレビをつけコーヒーを啜った
テレビはニュースがやっていたが男は考えごとをしていてニュースをきいていないようだった
この男の名は西川 武雄
今年、大学4年生で頭はいいが運動が苦手な読書好きの学生だ
世間では本ばかり読んでると根暗だと思われがちだが少なくとも武雄は根暗ではなかった
友人は多くはないがいる方だし、女性と付き合ったこともある
ただ読書だけが趣味って訳もなく、映画鑑賞や音楽を聴く様々な趣味があり、自分でも多趣味だと思っている
武雄は普通の学生だった…
そう、『だった』のだ…
武雄が不思議な力を手にいれたのはちょうど2年前だった
その日は満月で武雄はいつものようにバイト先から自転車で一人暮らししているアパートに帰る途中だった
しかし武雄は後ろからきた車にはねられてしまった
飲酒運転だったらしい
幸い、怪我はそんなに酷くなく武雄は無事退院できた
しかし退院して一週間後、不思議な出来事が起こった
それは、『予知夢』
最近はただの夢だと思った
しかしそれが何十回も続きすべて当たっていたのだ
失くした鍵の場所からテストの問題、そして近くの公園で殺人事件が起こるなど様々な出来事を当てたのだ
武雄はこの力を神が授けた素晴らしい能力として信じた
夢でみた事は必ず現実となる。
これが運命なのだ。この運命に逆らってはいけない。
武雄はいつからかこう考えていた
しかし、武雄が今回みた予知夢は信じられないものだった
あの殺された男は、間違えなく自分だったのだ
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