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That Thing You Do  作者: 由良更紗
3/7

影の人

ぼろぼろの鉄の棒一本で何が出来るのであろうか。まして、兄弟げんかくらいしかした事がない。だが、ヨウコは走った。駅に向かい、ひたすらに。


普段運動などしないので、あっと言う間に息は切れたが、火事場の力と言うのであろうか。走る足を止めることは無かった。


駅は真っ暗で砂埃がひどいが、惨状は見てわかった。

構内は完全に崩れ落ちている。遠目に、駅のホームからどんどん人が下りていくのが見える。線路に沿って避難しているのであろう。


逃げ惑う人々の多さに絶望を感じた。これでは、家族を見つけられない。逃げてくれただろうか。それとも、マイペースな性格が功を奏して、まだ来ていないかも知れない。いや、そうなのだきっと。


その時はっと気付き、空を見上げた。ビルの上に不気味に立っていた無数の影の人。今は、手に持った真っ黒な槍を構え、駅から出てくる人を狙っているのは一目瞭然であった。


ヨウコはその時初めて、影の人の「人間狩り」を目撃する事となった。


駅構内から埃にまみれて駆け出してくる数百に及ぶ人々。

影の人は、真上から垂直に落下し、彼らの進行を阻んだ。そしてその瞬間。


長い槍を膝下から沈むように構えると、一気に群集に向かって突き出した。

一度に、5人を貫いた。刺された人々は、一瞬の事で何が起こったのか把握出来ていない。影の人はそのまま力任せに槍を空に向かい持ち上げた。

串刺しのまま、まるで天に捧げるかのように。

もがく人々からは血しぶきが舞い、中には内臓が出てきてしまっている者もいた。一番後ろに居たであろう人間は5、6歳の少年だった。彼は身長からか、顔面を貫かれており既に絶命している。


数人を一気に貫き、天に掲げ、一気に振り落とす。その光景が延々と続いている。


ヨウコは心臓が破裂しそうに鼓動を打っていた。

恐怖で目が泳いでいる。足が動かない。手も動かない。


幸い、駅手前に落ちていた大きな看板の陰と埃とに隠れている。


影の人は何か話している。声が小さく聞き取れないが、「足りない」「もっと狩れ」「死なない奴は心臓を引き裂け」などの会話が辛うじて聞こえた。


家族・・・自分・・・家族を・・・でも今は自分を・・・

ヨウコは吐いた。目の前で女子供問わず次々と串刺しにされ、生きていると心臓を引き裂かれて握りつぶされる。

赤ん坊は頭を掴んで潰した。


こんな世の中であるとは知っていた。だが、この町は軍に守られ安心だと思っていた。それなのに何故?この世の中で普通に仕事をし、家族と過ごしていたのはこの地獄と隣り合わせだったのか。


足はもうすくんで動けない。

呼吸は乱れ、めまいすらする。逃げたい。逃げなきゃ。

ふと、自分の下着が濡れている事に気付いた。いつの間にか失禁していたのだ。


悲鳴だけが鳴り響く中、暗闇の中でどう動けもしない。

ヨウコは死を覚悟した。



何度も言いますが適当に思いついたことかいてるので深読みなさらないでください。かるーく読んで頂ければ幸いです。

一度書いたものも、おかしなところは後で修正加えます

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