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That Thing You Do  作者: 由良更紗
2/7

始まり

ここは東京と言われていた都市。

だが、昔の面影は無く、高層ビルは廃墟と化し、辛うじて名前も失った都市として都市形成が保たれていた。


通信網はほぼ破壊されていた為、地方都市がどうなっているのかは把握出来ていない。おそらく、そちらにも影の者たちの手は延びているであろう。

恐ろしい事に、栄華を誇ったオフィスビル街などもほぼ廃墟と化していた。

横浜だった辺りは比較的自衛を保ち、一定区画の中では普通の生活を営んでいる者もいた。新宿、渋谷だった辺りも同様に、人間らしい生活が出来ているようだ。


夜になると自衛を保っている区域は電気がつくが、それ以外は闇であった。

影の人は闇から現れる。人々は、なんとかエネルギー源を確保し、なるべく街に明かりを入れようと躍起になっていた。


横浜地区。ここの一部は、昼夜問わず店も営業し、日用品から食物を手に入れる事に問題は無かった。緑も保たれ、街はこうこうと明るく、人々は安心して過ごす事が出来ていた。街には手をつないだカップルや子連れの夫婦なども見る事ができる。


午後16時。


ヨウコは家族と街のシンボルである巨大な電光掲示板の下で家族と待ち合わせをしていた。両親、弟二人。久しぶりに家族で食事を、と言う事になったのだ。まだ誰も来ない。家族仲良くルーズなところがあるので、のんびりと待つことにした。


ヨウコは30代に入った頃であろうか。美しいロングヘアーにマフラーを巻き、ジーンズに厚手のコートと言う出で立ちであった。息を吐くと、ほんのり白い息が出る。


人目を引くほど美しい顔をしているのだが、マフラーで半分隠してしまう癖があった。自分が美しいと思った事は一度も無い。背が高いので、コンプレックスでもあった。男兄弟の中で育ったので非常に男らしい性格の持ち主でもある。だが、ふわふわとした優しい印象は隠せるものではない。


家族はまだ来ない。久しぶりの食事なのに・・・・

寒いし、連絡くれれば良いのになあ。地域内での携帯電話はまだ使用できていた。


「電話するか。もう待てないよ、さむい!」


その時であった。少し離れた高層ビルが、大爆発を起こした。

「わ!」(ヨウコはきゃあ、と言えない)

「何!?何なの!?」


高層ビルを境に、街明かりがヨウコにむかってどんどん消えていくのがわかる。そしてあっという間に電光掲示板も消え、辺りは真っ暗な闇となった。


「あっちは、駅。家族が乗ってるかもしれない!!」

ヨウコは今や常識となっている懐中電灯をバッグから出し、爆発のあった駅の方角へ走っていった。人々は、ヨウコとは反対に逃げ出していく。


「ごほ、ごほっ」


ひどい砂埃だ。懐中電灯を当てると、砂埃しか見えない。

しかし、爆発による火事でかろうじて駅周辺の状態見えた。


逃げ惑う人々。


ヨウコは必死に家族を探した。だが、数千と言う人ごみの中で見つけることは皆無である。逆送してくる人々に押され転倒し、ひざを深く擦り剥いてしまった。しかし、今はそんな事はどうでもよい。


「おとうさーん!おかあさーん!」

力の限り叫んだが届くはずも無い。


暗闇の中、不気味に浮かび上がる爆発の炎。


そして、その奥に見えるものにヨウコは目を疑った。ビルというビルの屋上に「影の者」の影が無数見えるのだ。

槍を構えたその姿。影にしか見えないが、明らかに逃げ惑う人々を見下ろしていた。


ヨウコは青褪めた。とっさに近くにあった廃墟ビルから突き出ていた折れそうな鉄筋を引きちぎり、駅の方角へ走っていった。




まだまだ続きます。内容は思いつくままなので誤字脱字、深読みはお勧めしません

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