悪魔
子供の頃から
ボクの心の中はからっぽで
そのからっぽの心の中に
人とちがう何かを感じていた
それが何か解らないと
苛立ちを感じ始めた頃
ボクの前に暗闇が広がった
そしてボクは
自分の中にいる悪魔と
こう契約したんだ
「何かを完璧に作れたなら
あなたにボクを差し出す」と
真っ暗闇の世界で
赤い目の悪魔がこういった
この先何がおきても
自分の命は捨てるな
何が起きてもだ
「お前の死は私に委ねられた」
その事を忘れるな
そして何度も繰り返し
真っ暗闇が訪れて
心がズタズタになっても
頭の中で声がする
お前はまだ死ねない
突然幸せが訪れ
失う事を考えて
それならいっそと思っても
まだその時はこないんだ
そしてボクは思う
悪魔はこの心の苦しみや悲しみを
糧にしているんだと
気づいた時には
ボクの心のからっぽは
無くなっていた
それでもまだ生きている
からっぽの心の方が楽だったと
気が付くまで
悪魔はボクを糧にして
楽しんでいるのだろう
sora