最終決戦(後編)の巻
ご愛読ありがとうございました。
今回を持ちまして、この物語は終了です。
エクスカリバーが蒼白い光を放ち、額の紋章の光と同調する。
渾身の一撃がポラポラの動きを捉える。
〈文句のない一撃だ〉
俺はそう思った。
体勢を整え、ポラポラの様子を伺う。
真紅のマントで俺の攻撃をまともに受けたポラポラは言う。
「ふぅ。今のが全力だとしたら期待はずれですね……」
「な、何!?」
ポラポラは傷ひとつ負わず、余裕の笑みさえ浮かべる。
「以前の私とは違うのですよ。見て下さい、有り余るこの力……。力こそ、全て。最強なのです。お見せしましょう、今の私の力を……」
ポラポラが念じると、指先から無数の閃光が飛び出す。
あまりの早さに避けきれず、直撃した鎧の一部が粉々になった。
それよりも、驚いたのは、避けた床に付いた閃光の跡がドロドロに溶けていることだった。
〈明らかに以前とは違う。ポラポラの言っていることはハッタリじゃない〉
そう思った瞬間、俺の身体は異常なまでに震えた。
きっと恐怖とは、こういうことなんだろうと実感した。
「さぁ、遊びはここまでです。本当の力を見せてあげましょう」
ポラポラに紫色のオーラが纏い、倒したはずの悪魔騎士団の霊が吸収されていく。
一体、また一体。
最後の一体にはガルシアの姿があった。
その表情は何処か切なげで悲しい目をしていた。
「ガルシア……」
「来たぞ、来たぞ! 素晴らしい力だ。これでお前達は終わりだ。魂ごと吹き飛ばしてあげますよ」
悪魔騎士団を吸収したポラポラは、巨大な竜に姿を変えた。
「今度こそ、終わりだ……皆ごめん。諦めたくない、諦めたくないけど、俺にはどうすることも出来ない……」
姿を変えたポラポラは、格段にパワーアップしていた。
肌で感じる恐怖。
〈ただでさえ太刀打ち出来ないのに、ここまでパワーアップされたら……〉俺は戦意を失い膝を付いた。
「ホッホッホッホッ。観念したようですね。今、楽にしてあげますよ」
ポラポラは全身を震わせ、灼熱の炎を吐いた。
これを避けたら、コンピューターが破壊され世界が終わりだ。
俺は覚悟を決め、静かに瞼を閉じた。
「イヤァァ――」
俺を庇ってリンが全身で灼熱の炎を受け止めた。
「リン――っ! どうして……」
「言った……でしょ。生きて……帰るって」
「おやおや、順番がくるっちゃいましたね。次こそ、本当に終わりです」
「何て俺は意気地なしなんだ……愛する人も守れず……」
「そうよ、意気地無しだわ」
「レイ! それにキャンディも。生きていたのか」
「私達はあなたと約束しました。必ず生きて帰ると。忘れないで下さい、あなたが教えてくれた『諦めない』ということを……」
「リンは私達に任せて。まだ息があるから、何とかなるわ」
「隼人……もう一度剣を取って下さい」
「おやおや、ゴミが増えましたね。しかし、ゴミが何人増えようと所詮ゴミはゴミまとめて殺してあげます。死ねぃ!」
ポラポラは巨大な爪を降り下ろした。
俺は額すれすれで、巨大な爪を受け止めた。
「やっと目が覚めた。俺は貴様を倒す」
「人間無勢が私を倒すだと? 笑わせるな」
エクスカリバーは聖なる光を放つ。
「うぉぉぉ」
残りの力を振り絞り、危険を省みずポラポラの懐に飛び込んだ。
ポラポラを斬りつけたエクスカリバーは鈍い音を立て、腸からは大量の血が噴き出した。
「血が……この私が気高い血を。許さん、許さんぞ」
ポラポラの攻撃は一層激しさを増した。
俺は攻撃をしのぎつつ、反撃のチャンスを伺っていた。
〈次で決めなければ、本当にやられる〉
「しぶとい奴……め。うぐっ、うぐっ。カラダが……カラダが崩れていく。どうしたと言うのだ……うぐっ……」
〈隼人、聞こえるか? ガルシアだ。奴は急激なパワーアップをしたため、身体に負荷がかかり崩壊しようとしている。俺が奴を抑えているうちに止めをさすんだ〉
「ガルシア? ガルシアなのか? わかった、行くぞ!」
「己れガルシア、恩を仇で返すとは……うぐっ、うぐっ」
エクスカリバーはより一層激しく輝き出した。
「ポラポラ……これで最後だ」
俺は……
ポラポラと相討ちを覚悟し懐に飛び込んだ。……なら〇へ。
エクスカリバーの威力を信じ、一人で止めをさした。……なら●へ。
皆と力を合わせて、止めをさした。……なら◎へ。
運命の選択肢は、あなたに委ねられた。
さぁ、あなたの選択肢は?




