訪れた悲劇の巻
ボルケーノ火山を訪れた俺達に悲劇が待っていた。
~一方その頃~
ここはマザーブース。
「毎回、毎回腹の立つ奴ですね。隼人という男は。私が完全復活する前に悪魔騎士団が全滅するようでは困ります。次の一手を打つべきですね。この一手で隼人の驚く顔が見れそうです。楽しみですね」
俺達は土の精霊ドットが言っていたボルケーノ火山へとやってきていた。
マグマが煮えくり返り、高温な大地が行くてを阻む。
しかし、最後の精霊は目の前、もうすぐ王者の剣を完全なものに出来る、その思いだけが俺達の足を動かしていた。
「火山の周りを一周したけど、いないね火の精霊……」
「リン、もう一度探しましょう。何処か見逃した場所がないか確認するのです」
「そうだな。レイの言う通りだ」
レイに同調する俺にリンはふてくされる。
「リン、行くぞ」
リンの腕をぐいっと掴むと、笑顔が溢れる。
リンの機嫌を取るのにも慣れたもんだ。
「隼人!」
「どうした、キャンディ」
「バハムートが何か言いたいことがあるみたい」
「わかった、召喚してくれ」
キャンディはバハムートを召喚した。
「隼人よ、火口付近で何者かが我らを待っているようだ。我々が会ったことのある誰かだ? 心当たりはあるか?」
「いや、これと言ってない。バハムート、そこまで俺達を連れて行ってくれないか?」
「容易いご用だ。我に乗るがいい」
相変わらず高所恐怖症のキャンディは震えている。
以前なら俺にしがみついてきたが、今はレイにしがみついている。
少し寂しく思ったが仕方がない。
「バハムート、頼んだぞ」
俺達は火口を目指した。
「隼人よ、あそこだ。あの人物だ。我はあの人物が何者だったか思い出せぬ」
「あ、あいつは! ガルシア! 何故こんな所に……バハムート、あそこに俺達を降ろしてくれ」
「わかった」
バハムートはゆっくりと翼を揺らし、ガルシアの前に降りた。
「久しぶりだな、隼人……」
「ガルシア、何故こんな所にいるんだ。アシュリーはどうしたんだ?」
「隼人よ、すまない」
ガルシアは膝間付き、顔を伏せた。
「顔を上げてくれ。一体、どうしたと言うんだ」
「隼人、話を聞いてくれ。俺は先日アシュリーのお腹の子のためと思い、薬草を取りに出掛けた。その時、俺はある魔物に出くわした。その魔物は俺に言った。〈もう一度力を貸して欲しい〉と。勿論、俺は断り魔物を斬り捨てた。だが、ほんの少し残っていた俺の悪の心が俺を染めていった。気付けば俺は悪に洗脳され、悪魔騎士団の一人になっていた。頼む隼人、俺に……俺に理性のあるうちに……俺を殺してくれ……同じ過ちは犯したくない……頼む」
ガルシアは涙ながらに語った。
「ガルシア……せっかく、わかり合えたと思ったのに」
「頼む……時間がない……うぐっ、うぐっ」
ガルシアの体が徐々に魔物に変化し始まっている。
「何故だ――っ! ちくしょう……ポラポラの奴、何処までも卑怯な手を……」
俺は唇を強く噛んだ。
なんということだ。
どうすればいいんだ……アシュリー。




