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想いは砂塵への巻

 砂嵐が吹き荒れる砂漠の中、壮絶なバトルが待っていた。

 訪れた砂漠は不運にも、砂嵐が吹き荒れていた。

 一寸先も見えないほど、視界が悪い。


 これ以上進むのは危険と判断し、ロックスタワー跡地にあった廃屋で経過を観察することにした。


「参ったな。こんな砂嵐では到底無理だ」


「仕方ありません。焦りは禁物です」


 俺はレイの言葉に頷いた。

 そんな中、キャンディは疲れたのか、モコモコを抱いて一緒に寝ている。

 キャンディとモコモコの寝顔に、見とれているとリンが何かに気付く。


「お兄ちゃん、何か来るよ」


 リンがそう言ったあと、地響きが鳴り大きく揺れだした。


「何? 地震?」


 大きな揺れに気付き、キャンディとモコモコも目を覚ます。


「どうやら、敵のようです」


「そのようだな、皆行くぞ」


 再び外へ出ると、砂嵐はより激しいものになっていた。

 視界はほぼゼロにひとしい。


 目を擦り、見開くと巨大な芋虫のような魔物が徘徊している。


「あいつも、悪魔騎士団の一人かも知れない。心してかかるぞ」


 砂塵の中、俺達は飛び出した。


 しかし視界が悪く、なかなか魔物に近付けない。                     「我はここだ。無能な人間どもよ。我はポラポラ様の悪魔騎士団の一人、アビスウォームだ。お前ら全員噛み殺してやるわ、死ねぃ」


「やはり悪魔騎士団の一人か……。皆行くぞ」「待って下さい。リンがいません」


「キャー、助けて……」


 リンの居場所を確認しようとした時、リンの悲鳴が上空より聞こえる。


「げふっ。久しぶりの人間だ。美味だ、美味。次はどいつだ」


 ちょっとした隙にリンはアビスウォームに飲み込まれてしまった。


「リン――――っ! くそ、こいつめ!」


 何度斬りつけても、アビスウォームの強固なボディはびくともしない。


 レイも間合いを取りつつ、攻撃を食らわすが効いている様子はない。


「このままでは、リンが消化され死んでしまいます」


「あたち聞いたことあるよ。アビスウォームの胃液はダイヤモンドさえ溶かすって」


「本当か? モコモコ?」


 その間に、キャンディはゴーレムを召喚した。

 今は辛うじて、ゴーレムがアビスウォームを抑えているが、それもいつまで続くかわからない。


「くそ……万事休すか……」


「諦めないで下さい。隼人が私に教えてくれたこと。ねぇ、諦めないで……」


 俺のことでリンとレイが気まずい雰囲気になっていたのにもかかわらず、レイはリンのことを思っていた。


〈そう、仲間だから〉


「ちくしょう。どうにでもなれ」


 俺は未完全な王者の剣を構えアビスウォームを睨み付けた。


〈リン……死ぬなよ。どうか生きててくれ……〉

 リン、死なないでくれ……。

 俺の声は届くのか?

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