ナゾナゾの答えを探しての巻
謎解き、謎解き。
真実はいつも一つ。
滝の洞窟から出た俺はリンとレイに気まずい状態になっていた。
その上、あれからキャンディはベッタリだ。
俺の腕を離れたようともしないし、膨らみかけた可愛い乳房が、時折腕に当たる。
それをリンとレイは冷たい目で見る。
〈誤解だ。違うんだ〉
そう言いたかったが、余計にこじれるのを恐れ俺は我慢した。
それより、水の精霊のナゾナゾを解かなくてはいけない。
頭をフル回転させても、答えは出て来なかった。
「空気の果実じゃない?」
不意にリンが呟く。
不機嫌になっていたんじゃなくて、ちゃんと考えていてくれていたんだと、少し安心した。
「確かにそれもアリかもな。でも、水中で息の出来る精霊にとって、空気の果実は意味のないモノだろ? 他に何かないか考えるんだ」
「逆に水中で出来ないことを考えると、火が考えられますね」
さすが、レイは頭がキレる。
「火ね……。火をつける? わかったぞ。リン、ベルナに一度戻ってくれ。俺に考えがある」
俺は話題を反らす為に、必死で会話を繋げた。
ベルナにつくと俺は、リンにバナナを買ってくるよう頼んだ。
「買ってきたよ。バナナなんてどうするの?」
「一度、もとの世界に戻りたい。アレ、やってくれるか?」
俺は無理を承知で頼んだ。
「いいよ」
意外にも二つ返事で了承を得た。
「本当に?」
俺は思わず聞き返してしまった。
「だって、いつか役に立つかも知れないしね?」
俺を挑発的な眼差しで見つめながら言う。
「と、とにかく頼むわ」
「わかったわ」
「レイとキャンディは待っててくれ」
二人とも、こればかりは仕方ないと、諦め待っててくれると言った。
「それじゃ、始めるよ。お兄ちゃんは私に掴まって」
リンは丁寧にバナナの皮をむき、口に加え台詞を吐いた。
「お兄ちゃん……」
男臭いこの部屋。
どうやら、現実に戻れたようだ。
「リン、その辺に座って待っててくれ」
「了解~」
珍しく素直に返事を返し、ベッドに座り込んだ。
〈現実に三人がいてくれたら。異世界では俺を慕ってくれる子がいるのに、現実はどうだ?〉
そんなこと考えながら、引き出しの中をまさぐる。
「あった! これだ。以前、旅行で買った水中でも火がつくライター」
「何それ見せて……あぁ」
ライターを渡そうとした指先が、ぶつかり重なり合う。
「お兄ちゃん……」
リンは瞳を閉じる。
〈俺は何て駄目な男なんだ〉と思いつつ、唇を重ねてしまう。
抱き締める強さと比例して、舌も激しく絡み合う。
勢いに乗った俺は次のステップと思い、左手で乳房を揉んだ瞬間警告を受け、試合終了になった。
〈明日があるさ〉
俺はライターを握りしめ、リンと一緒に異世界へと戻った。
「ただいま。これが答えだ」
俺はレイ達にライターを見せた。
「何をしてきたんですか?」
「何をって。ライターを取りに……」
「だって、裸だし……前が大きくなってるよ……」
〈まただ。何で現実から異世界に戻ると防具がなくなって全裸になってるんだ〉
俺はライターを握りしめ、嘆いた。
そして、この旅三着目の布の服を買ったのは言うまでもない。
俺は駄目な男さ。
駄目な勇者さ。
ライター持って、また行かなきゃ。
水の精霊の所に。




