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ダカーハ族の巻

 目の前に現れた人物とは?

 密林地帯を進む俺達は、少数民族らしき人間らと出くわした。

 額に赤いペインティングを施し、石製の槍と木の盾を持った男が二人。

 その後方には俺達がよく知る人物、レイの姿があった。


「レイ、こんな所にいたのか? 探したぞ」


 俺は久々の再会に喜び、レイに近付いた。


「……」


「レイ? どうした? 俺だ、隼人だ」


 明らかに様子が違う。


「お兄ちゃん、離れて様子がおかしい」


 リンの忠告と同時に、槍が俺に向けられた。


「それ以上近付くな」


 少数民族らしき二人のうちの一人が、俺に向かって警告する。


「レイ……俺を忘れたのか?」


「気安く呼ばないで下さい。近付く者は排除します」


 レイの鋭い爪が俺の鎧を引き裂く。

 俺に戦意はない。


「隼人、戦うしかないよ、剣を持って」


「出来ない……仲間を斬るなんて、俺には出来ない」


 キャンディは俺に、戦うよう促したが俺はただレイの攻撃を受けることしかできなかった。

 レイがこんなことするはずない。

 何か理由があるはずだ。

 傷付いた身体のまま俺は、信じ続けた。


 殺伐とした重い空気が両者間に流れる。

 もはや、なすすべがないと思われた時、リンが前に出た。


「レイ、目を覚まして。隼人の王者の剣を見て。輝きを失っているの。私達はこれから精霊に会って、輝きを取り戻さなきゃいけないの。お願い力を貸して。私達にはレイの助けが欲しいのよ」


「そんな剣知らないわ」


「レイ! 待て! 若者よ。詳しく話を聞かせてくれないか?」


 少数民族らしき男がレイを止めた。

 続けて、俺達は魔界の王を倒したこと、ポラポラが復活したこと、ポラポラを倒すには王者の剣の復活が不可欠だということ、おやっさんが石化したこと、レイも一緒に戦ったことを話した。


「話はわかった。私の名はマッド。我々は古より精霊を守りし民、ダカーハ族だ。その王者の剣は錆び付いてはいるが恐らく本物。お前達のような勇者を遠い昔から待っていた」


「精霊に会わせてくれるのか?」


「その前に、我らが族長に会ってもらう」


「もう一つ聞かせてくれ。何故レイは俺達がわからないんだ?」


 俺がその質問に触れると、リンはキッと俺を睨んだ。


「レイよ。落ち着け」


 マッドの声に反応したレイは肩の力を抜いた。


「ご無礼を申した。全てをお話ししよう。ある日、我々一族は大量の魔物に襲われた。そこへ一人の武闘家が現れ、魔物を一掃してくれた。その人物こそ、レイだ。しかし、レイは魔物の毒気にやられ、一命は取り止めたものの、名前以外の記憶を失ってしまった。自分が何者なのかも。我々はそんなレイに何もしてやれないことに不甲斐なさを感じた。それでもレイは明るく、一族で暮らすことを選んでくれた。我々は嬉しかった。だが、お前らが現れた以上、我々は引き留めることは出来ない……」


 レイは悲しい表情で俺達を見る。


「マッド、すまない」


「さぁ、我々の村へ案内しよう」


 マッドに案内され、ダカーハ族の村へ辿り着いた。

 村の中心の井戸を囲むように、粗末な家が数件建ち並ぶ。

 決して裕福な村とは言えない。

 そして、俺達の前に美しい女性が現れた。

 その女性は腰に布を巻いただけの姿で、さらけ出した乳輪にはリングのピアスが付けられていた。


「私がダカーハ族、族長『ランゼ』です」



 やっと再会出来たレイは毒気にやられ、記憶を失っていた。

 そして、ダカーハ族の族長ランゼとは?

 無事精霊に会えるのか?

 てんこ盛りです。

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