温もりを下さいの巻
ちょっとだけ、ほっこり羨ましいエピソードです。
キャンディを仲間に加えた俺達は、名もなき村を後にした。
キャンディが仲間になったことで、パーティーの場も和んでいた。
次に目指したい場所は迷いの森。
精霊に会いに行きたいのだが、手掛かりがない。
途方に暮れ悩む俺に転機が訪れた。
「これから、何処に行くの?」
「迷いの森に行きたいんだけど、手掛かりがまるでないんだ……」
「迷いの森? 何処かで聞いたことあるような……」
キャンディが眉間にシワを寄せ、考えていると巨大な翼をはためかせバハムートがやって来た。
「久しぶりだな。隼人、そしてリンよ。我が迷いの森まで、案内しよう」
「知ってるのか? バハムート!」
「あぁ。我の記憶が正しければ、迷いの森はまだ存在するはず。最果ての地より南下した大陸にあったはずだ……しかし、あそこは……」
「何だよ、教えてくれよ」
「その大陸には外部との接触を拒む、少数民族がいるのだ。果たして受け入れてもらえるかどうか……」
「どっちにしろ、行かなきゃいけないんだ。連れて行ってくれ。バハムート」
「承知した。我の背中に乗るがいい」
俺達三人はバハムートの案内で迷いの森を目指すことになった。
一刻も早く王者の剣に輝きを取り戻し、ポラポラを倒さねば。
焦りにも似た感情が、全身に駆け巡る。
空を切り、雲の切れ間を突き抜け一路迷いの森を目指す。
「ううぅ」
俺はキャンディの異変に気付き、声をかけた。
「キャンディ、どうしたんだ?」
「実は、高い所が苦手なの……」
ちょっと生意気なキャンディだけど、弱点を見つけた俺は思わず微笑んだ。
「わ、笑わないでよ」
「ごめん、ごめん。俺の傍においで」
「う、うん」
恥ずかしながらも、俺の腕にしがみつき〈チョコン〉と座った。
「隼人、あったか~い」
「そ、そうか?」
思った以上に密着され、ちょっと照れる。
「いででっ」
デレデレした俺に焼きもちを妬いて、リンが俺の腕をつねる。
膨れっ面のリンを、空いているもう片方の腕に巻き込む。
「あったか~い」
リンも俺の腕にしがみき納得がいったようだ。
可愛い女の子達を両腕に抱え、この上ない贅沢を満喫しながら、更に加速し迷いの森を目指す。
「隼人よ。あれが迷いの森のある大陸だ」
緑が生い茂る密林が大半を占める。
少数民族とはどのような人種なのだろうか?
そして、迷いの森は本当に存在するのだろうか?
様々な思いを胸に俺達は、その地に降りたった。
見たこともない品種の植物を掻き分け、道なき道を行く。
〈本当に精霊に、会えるのだろうか?〉
変わらぬ景色に、溜め息が出る。
〈ガサガサっ〉
草影に人の気配がする。
「誰だ?」
そこには少数民族らしき人間が二人と……、あの人物がいた。
「お、お前は……」
三人の前に現れた人物とは?




