永遠に……の巻
今回で最終話です。
ラストは賛否両論あると思いますが、いかがでしょうか?
良いか悪いか感想下さい。
正真正銘これがラストバトルになるだろう。
ダークドラゴンは巨大な口を開き、攻撃の隙を伺っている。
俺は気を取り直し、剣を構えた。
全員で死ぬ気で掛からないと、まず勝てないだろう。
今までの敵とは次元が違い過ぎる。
生きて帰れる保証はない。
否。生きて帰れるんだ。
まずは俺が先陣をきり、その頭上目掛け高く飛び上がる。
二度、三度と剣を振り上げ斬りつける。
案の定、その強靭な肉体には傷ひとつつけられない。
地面に着地すると、今度はダークドラゴンが鋭い爪で俺達を引き裂く。
リンは慌て全員の回復に回る。
そうこうしているうちにダークドラゴンは次の攻撃を仕掛けてくる。
けたたましい咆哮と共に灼熱の炎を吐いた。
レイが俺達の前に立ち、灼熱の炎を受け止める。
「レイ――――っ!」
「私はもう駄目です……必ずダークドラゴンを倒して下さい……私の精神を受け取って」
レイから受け取った優しい光が俺の中に吸収された。
レイはそのまま気を失った。
「な、何だ。この力は……」
レイの信じる心と素早い攻撃力が俺に入り込む。
素晴らしい力が備わった。
尚も、ダークドラゴンは攻撃の手を休めない。
アシュリーはバハムートを召喚し、それに対抗する。
ダークドラゴンの灼熱の炎とバハムートのメガフレアが激突する。
「うぐっ。押されてる……あたしは負けません」
しかし、押し返されバハムートは気絶した。
「残念ですが、ここまでですか……全てを隼人、あなたに託します。どうか、あたしの精神を受け取って下さい」
アシュリーもまた柔らかな光を俺に渡し気絶した。
「みなぎる、力がみなぎってくる」
アシュリーの挫けない心と、強い精神力が俺に宿った。
更に素晴らしい力が備わった。
「ダークドラゴン! 俺は貴様を倒す」
「フン。人間ごとぎが戯れ言を。死ねぃ」
ダークドラゴンの強靭な牙が、俺に向かってくる。
「お兄ちゃん~!」
俺の代わりにリンが鋭い牙の餌食になった。
「リン。どうして……」
「あいつはお兄ちゃんじゃなきゃ、倒せない。これを……受け取って」
温かいリンの精神が俺の中に入り込む。
リンの負けない心と賢さが宿った。
最上級の素晴らしい力が備わった。
皆の力と思いが、眠っていた力を呼び覚ます。
「ダークドラゴン……貴様は長く生きすぎた。永遠に眠るがいい」
額の勇者の紋章が今まで以上に激しく光る。
「皆の力は無駄にしない。これで最後だ! 食らえアルテマソード!」
激しく王者の剣は光を放ち、増幅された聖なる力がダークドラゴンを引き裂く。
「ぐぁぁぁ。我が破れるとは……せめて、地獄に道連れにしてやる」
「無駄だ。永久にさまよえ」
更にダークドラゴンを激しく引き裂く。
「やった、やったぞ……みんな……」
気絶していたレイが駆け寄る。
「やりましたね」
「さすがね、惚れちゃうわ」
アシュリーも目を覚まし、駆け寄る。
「リン……リンは?」
辺りを見渡すと、身体全体が消え掛かったリンがいた。
「リン、どうしたんだ! その身体は」
リンは悲しい表情を浮かべ口を開く。
「ごめんなさい」
「ごめんじゃわからない。どういうことだ?」
「黙っていて、ごめんなさい。私はバグによって形成された人間。その最後のバグが解消されたから、恐らく私は消えてしまう」
「嘘……だよな? 嘘だと言ってくれー?」
俺はリンを思い切り抱き締め、口づけをした。
「お兄ちゃん、ありがとう。短い間だったけど、お兄ちゃんと戦えて良かったよ」
「リン、そんなこと言うなよ。一緒に帰ろう。なぁ、俺はリンが好きだ」
その時、何処からともなく光が差しリンを包み込む。
消え掛かったリンの身体が実体を現した。
俺の強い思いが届いたのか、リンは消えずにすんだ。
俺はもう一度リンを抱き締め口づけをした。
「あ~あ。見てらんないわね」
「それはそうと、早く脱出しましょう。もうじき、ここは崩れます」
俺達は目が覚めたバハムートの背に乗り、魔界を抜けベルナへ戻った。
「これから皆どうする?」
「あたしは名もなき村に戻って、人の為になることをしようと思います」
とアシュリー。
「私は技を磨く為、修行の旅に出ようと思います」
とレイ。
リンはというと俺にベッタリついて離れない。
平和になったことだし、リンとのんびり過ごすのも悪くないか……。
「う……。頭が割れそうに痛い」
「お兄ちゃん!」
俺は全てを思い出した。
俺の名前は高坂 隼人。この世界の人間じゃない。
何者かによって異世界にトリップされた、ごく普通の男。
「リン……残念ながら俺は、もとの世界に戻らなくてはならないようだ」
「そんな……やっと両想いになれたのに。お兄ちゃんがずっと好きだったのに」
「俺の方こそ、ごめん」
「ねぇ、キスして。私の最後の我が儘」
「リン……」
俺はリンを力一杯身体に、刻み込むように抱き締め口づけをした。
「もうお別れだ。サヨナラは言わない。リンとはいつでも会えるから。泣かないで」
「お兄ちゃん~」
気が付くと俺はモニターの前にいた。
あれは夢? いや、確かにリンの感触が残っている。
夢なんかじゃない。
モニターの中のリンは、俺に向かって微笑んでいた。
勇者 隼人
おてんば妹 リン
冷静、恥ずかしがり屋 レイ
ちょっぴりエッチなお姉さん アシュリー
自称大盗賊 おやっさん(カンタガ)
伝説の鍛冶屋 ガブ
THE END
?
「うぐぐっ。もう少しで、死ぬところでした。核だけが残ったのが不幸中の幸いですね」
あえて謎をちりばめました。
読み返してもらえると、少しわかるかもしれません。
ご愛読ありがとうございました。




