死闘! 死闘!の巻
魔界の王、黒龍神。
俺達は負けない。
必ず世界を救うんだ。
物語もあと僅か、感想、待ってます。
黒龍神。
強靭な意思と純粋なる心を持ってさえいれば、必ずや倒せるはずだ。
黒龍神は火の玉を吐き、一瞬にして辺りは火の海と化した。
「リン頼む」
「オッケー! ブリザド〈冷気呪文〉」
今までの経験上、この程度は容易いものだ。
冷静に炎を鎮火させ、攻撃に転じる。
「私が行きます」
レイの連続攻撃が、黒龍神を捉える。
息つく暇も与えず、続いてアシュリーがシヴァを召喚する。
ある程度の手応えがあったものの、さすがは魔界の王、黒龍神。
一進一退を繰り返し、戦いは膠着状態だった。
俺はこの現状を打開すべく卍斬りに掛けることにした。
数多の魔物を葬ってきた卍斬り。
いくら黒龍神とて、直撃すればひとたまりもなかろう。
俺にとってそれだけ信用のおける、また自信のある技だった。
「行くぞ! 黒龍神!」
王者の剣は聖なる力を帯び始めた。
「食らえ、真・卍斬り~!」
周囲の壁を崩壊させ、装飾品を巻き込み、凄まじいエネルギーで炸裂した。
一網打尽にする程の破壊力。
二度と起き上がれまい。
そう思ったのも束の間、砂ぼこりの中から右腕を失った黒龍神が現れた。
「な、何! 俺はフルパワーでやったはずだ。何故立ち上がれる」
「痛いじゃないか。よくもやってくれたね。君達は僕を怒らせてしまった。全員、今すぐ死んでもらうよ。死ね――っ!」
卍斬りで倒せなかった俺は、ショックのあまり戦意喪失し、黒龍神の鋭い爪の餌食になった。
「ぐはっ」
血飛沫をあげながら、飛ばされた身体は壁に叩きつけられた。
「お兄ちゃん~! えい、キュアル〈回復呪文〉」
「……」
「お兄ちゃん! お兄ちゃん!」
リンの呼ぶ声が遠くに聞こえ、俺は放心状態になっていた。
〈パァ――――ン〉
アシュリーが俺に平手打ちを食らわす。
「しっかりして! 世界はあなたに掛かってるの! あたし達を守れるのは、あなたしかいないの! お願い目を覚まして!」
アシュリーの頬に涙が伝い、俺の手の甲に落ち弾けた。
「そうだ。俺がやるしかないんだ。俺は真の勇者だ――っ!」
俺はもう一度、卍斬りに掛けた。
「貫け~! 真・卍斬り!」
黒龍神の動きを完全に捉えた。
今度こそ、今度こそ立ち上がれまい。
黒龍神の左腕は吹き飛び、大量の出血が見られる。
「やった……やったぞ」
黒龍神は前のめりになり、倒れた。
「おのれ……おのれ……許さんぞ……許さんぞ――っ! 仕方ない、僕の本当の姿を見せてやる。もうお前達の世界もいらない……すべてを吹き飛ばしてやる」
〈ドクン……ドクン〉
黒龍神の背中が脈を打ち、その姿は黒煙に包まれた。
やがて煙が引くと、巨大な翼、巨大な爪、巨大な牙を持った黒いドラゴンが姿を現した。
「我が名は、ダークドラゴン。全てを滅ぼし者。人間よ、生きて帰れると思うなよ」
そう言うとダークドラゴンは雄叫びを上げた。
魔界全体に轟く程の声で。
「ま、まさかこんな……」
俺達は現実を理解出来ずにいた。
ついに本当の姿を姿を現した黒龍神。
ダークドラゴンが世界を破滅に追い込む。




