敵を蹴散らせの巻
ダークデスパレスに侵入するも、新たな敵が襲ってくる。
龍骨騎士は四本の腕に剣を持ち、巧みに攻撃を仕掛けてくる。
こちらに攻撃する隙を与えない。
背後から、レイの蹴りが炸裂する。
まるで背後に目があるかの如く、かするだけに終わる。
攻守を兼ね備えた強敵と言った所だ。
「行け、ゴーレムよ」
アシュリーはゴーレムを召喚する。
そのセクシーな衣装に、人間なら翻弄される所だが魔物には通用しない。
興奮してるのは、どう見ても俺だけだ。
「もったいない」
思わず俺は、とあるCMのように言った。
その間にリンは魔法を詠唱し、ファイア〈火炎呪文〉を浴びせる。
出会った頃に比べると、かなりの火力だ。
アンデット系ということもあり、龍骨騎士は苦しんでいる。
「やるなら今しかない……」
王者の剣に願いを込め、聖なる力を纏う。
防御を堅めつつ、懐に入り切り上げる。
龍骨騎士の四本の腕のうち、二本を切り落とした。
だが、左腕一本、右腕一本残っている。
つまり、対等になっただけだ。
守りを堅める俺達に容赦なく、龍骨騎士は攻撃を仕掛けてくる。
腕が減っても攻撃に隙がないということは、それだけ戦いのセンスがあるということだ。
敵ながら感心してしまう。
だか、勝つのはこっちだ。
こちらには守るものが山ほどあるのだ。
守るものがないものより、守るものがあるほうが強いのだ。
〈俺はもう、何も失いたくないんだよ〉
この戦い初めての会心の一撃。
龍骨騎士の両腕は吹き飛び、龍骨騎士は戦う術を失った。
「俺の負けだ……」
そう言い残し、龍骨騎士は自爆した。
何とも潔い死に方。
敵ながら天晴れと言いたい所だが、人間も魔物も限りある命。
それを無駄にすることは決して良いことではない。
俺はいち早く戦いのない世界が来ることを願った。
煤だけになった龍骨騎士のいた場所に鍵が落ちていた。
どうやら、これが次の階の鍵らしい。
俺はその鍵を拾い、次の階へと続く扉に鍵を差した。
「さぁ、次の階だ」
薄暗い螺旋階段を登り終えると、大広間に出た。
周囲には魔物の姿をした石像が飾られている。
何度も言うが趣味が悪い。
その先には、杖を持った魔導師風の男がいる。
フードを被り、その姿は見えないが鋭い眼光だけが、こちらを見ている。
「何と、龍骨騎士を倒したのか? これは久方ぶりに楽しめそうだ。某は、ダークマジシャン。その命頂くぞ」
「やれるもんなら、やってみろ!」
「小僧、大した自信だな。行くぞ!」
ダークマジシャンは、その名の通り魔法が得意のようだ。
「まずはこれだ~。スロウ〈鈍足呪文〉」
「な、何これ身体が重い……」
攻撃に掛かろうとしたレイの身体が鉛のように重くなる。
「大丈夫か? うぐっ」
レイを気遣っている間に、俺達は全員スロウの魔法を食らっていた。
「某は、じわりじわりと、なぶり殺すのが趣味でねぇ。次はこれだダークファイア〈暗黒火炎呪文〉」
漆黒の炎が俺達を包む。
想像以上に強い火力だ。
リンがブリザド〈冷気呪文〉で炎をかき消す。
対応に遅れた為、レイのチャイナドレスは膝上まで燃え、短くなってしまった。
レイの自慢の美脚が露になる。
「何てことするの?」
レイは怒りにまかせ、飛び膝蹴りをダークマジシャンに向け放つ。
しかし、動きが鈍くキレがない。
「合体魔法サンダーウォータ〈稲妻水流呪文〉」
一瞬の隙をつきリンは、ダークマジシャンの背後に瞬間移動しつつ、合体魔法を放った。
かなり高度な頭脳プレーだ。
至近距離で合体魔法を食らったダークマジシャンは、その場に崩れ落ちた。
間髪入れずアシュリーの召喚したリバイアサンが止めを差す。
「やりましたね」
レイは笑顔で言う。
しかし、短くなったチャイナドレスを見て俺は思った。
〈レイもノーパンなのでは? パンティが見えても、おかしくない所まで燃えているのにパンティが見えないからだ〉
でも、このことはレイには聞かず胸に秘めておこうと思った時、レイは言った。
「私も履いてませんが、何か?」
俺の視線に気付いたのか、レイはまたしてもカミングアウトした。
「つ、次に進もう」
ダークマジシャンが落とした鍵を拾い次の階を目指す。
この物語も終わりが近付いてきました。
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