伝説の剣の巻
その金属はオリハルコンだった。
俺達はベルナの街に戻り、おやっさんのもとを訪れた。
「おやっさん、いるか?」
「何だ、またお前達か?ってレイ、生き返ったのか? いや~良かった」
「お陰さまで」
「んで、何だ? 用ってのは?」
「アシュリー。例のモノを」
アシュリーは、大事に抱えていた金属をおやっさんに見せた。
「これは? オリハルコンじゃねぇか? すげぇな。こいつは何処で手に入れたんだ?」
「最果ての地です」
「金になるのか?」
俺は欲がくらみ、ヨダレを垂らした。
「金にも多少なるが、すげぇ武器が出来るぞ」
「そんなにすげぇのか?」
「あぁ。世界一、いや宇宙一かもな」
おやっさんは目を輝かせて言う。
武器屋のおやっさんが言うんだ、相当すげぇ武器が出来るんだろうなと俺は思った。
「よし。俺について来い。ベルナ一、いや世界一の鍛治屋を教えてやる。もっとも、あそこの親父は頑固で有名だから、どうなるかわからんがな」
俺達はおやっさんについていった。
街の外れにある年期の入った店構え。
何度もベルナに来てる俺でさえ、〈こんな店あったっけ?〉と、思うくらい影が薄い。
「お~い! オヤジいるか?」
店内はガランとしていて、奥の工房では熱気と鉄の匂いが、交互に押し寄せる。
「なんじゃ? カンタガじゃねぇか。何の用じゃ?」
「おい、隼人アレを」
俺はオリハルコンを鍛治屋のオヤジさんに見せた。
「これで、武器を作って貰えませんか?」
「断る! 帰ってくれ」
俺達は外に締め出された。
「すまねぇ、隼人。力になれなくて。今度はがりは俺もお手上げだ」
「そ~だ!思い出しました」
アシュリーが甲高いアニメ声で言う。
「何を思い出したんだ?」
「ウェンディーの王様が、ベルナに古い鍛治屋の知人がいるって」
「そう言えば言ってたね。王様に頼んでもらおうよ、お兄ちゃん」
「よし。それじゃ、王様に会いに行こう。リン頼む」
「は~い。人使い荒いですこと」
「皆は待っててくれ。すぐ戻ってくる」
俺とリンは王様に事情を話した。
「わかった。ワシを連れてってくれ」
大臣に後を頼み、ベルナまで王様が来てくれた。
躊躇せず、王様は店内に入って行く。
「お~い、ワシだ。ガブ! 居るんだろ?」
「誰じゃ? お前は? まさか……」
鍛治屋のオヤジと王様は、暫し昔話に花を咲かせた。
何でも学生時代の悪友で、二人は地元を騒がす悪ガキだったらしい。
「今日は気分がいい! オリハルコンをよこせ。特別に作ってやる」
王様を送り届け、夕方には剣が出来上がった。
さすが、おやっさんが言うだけあって仕事も早い。
「小僧、これじゃ! 名付けて王者の剣じゃ。ほれっ」
黄金に輝き、他の剣とは比べ物にならないくらいの切れ味。それに重さを感じない。
俺達は鍛治屋のオヤジさんに一例しておやっさんのもとを訪れた。
おやっさんの家で、夕食をご馳走になり、旅の話をしたりと暫し戦いを忘れ楽しい時間を過ごした。
そして、夜が明けた。
伝説の王者の剣を手に入れた隼人。
真の敵が迫ってきているのか?




