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願いよ届けの巻

 最果ての地の降り立った隼人達。

 レイ……早く会いたい。

 バハムートは俺達を背に乗せ、最果ての地を目指す。


 やがて緑が生い茂った小さな島が視界に入る。

 上空からその様子を伺うと、おやっさんの言ってたことが理解できた。

 島を取り囲む頑強な岩礁と、行く手を遮る岩肌。

 確かに船で上陸は困難だし、仮に上陸できたとして島の中心にある緑地に辿り着くのは到底無理がある。


「バハムート、あそこに降ろしてくれ」


 俺は緑地の中に一点だけに見える陸地を指差し言った。


「了解した」


 島の周囲を旋回していたバハムートは、その一点を目指し急降下する。


 それに驚いた鳥たちが、慌ただしく飛び立って行く。


「ふう。何とか着いたね。お兄ちゃん」


「あぁ。バハムートありがとう」


 俺は軽くバハムートの鼻先を撫でた。

 バハムートは役目を終え、力強く空へ飛び立っていった。


〈レイ、いよいよだ。もうすぐ生き返えらせることが出来る〉


 俺達は、逸る気持ちを抑え森の奥へと進んだ。


 茂みを掻き分け、一歩。また一歩確実に歩みを進めると、虹色に輝く泉が姿を現した。



「遂に見つけた……」


 三人で顔を見合せ、思わず笑みが溢れる。


「では、レイの亡骸を再びこの世に呼び起こします」


 アシュリーは杖を掲げ、呪文を唱える。


 眩い光に一瞬軽い目眩を覚え、思わず目を閉じる。

 目を開けると、傷付いたレイの亡骸が、再びこの世に舞い戻った。


「レイ……今助けるからな」


 優しくレイの頬を撫でたあと、丁寧に泉の水を両手ですくい、その口元に流し込んだ。


 俺達は祈るようにレイの亡骸を見つめた。


〈頼む。生き返えってくれ〉


 十秒、二十秒が過ぎても反応がない。

 誰もが諦めかけた時、静かにレイは目を開けた。


「レイ――っ!」


 俺はレイを両手で起こし、思い切り抱き締めた。


「レイ。会いたかった……」


「そんなに強く抱き締めたら痛いです」


「ご、ごめん……」


「私、生き返ったんですね?」


「あぁ」


 リンもアシュリーも、泣きながらレイに抱きつく。


「皆、ありがとう。私の為に……」


「何言ってんだ。仲間……だろ? 俺達……」


 リンもアシュリーも言葉にならず、ただ頷く。



「仲間……いいものですね」



 俺達は涙を拭い、焚き火を囲み、これまであった事を話した。


「そんなことがあったんですか」


「でね……」


「シッ――! 魔物が近付く気配がします」


 装備を整え、身構える。



「兄者、あそこにいたぜ」


「そのようだな」


 黒い翼を持った竜戦士と白い翼を持った竜戦士が、俺達の前に降り立った。



 その面構えから、仲間とは言えない風貌だ。


「お前か? 隼人という男は?」


 白い翼を持った竜戦士が言う。


「そうだ。お前達は何者だ!」


「俺達は魔界から来た竜戦士。名前を黒牙〈こくが〉」


「同じく白牙〈はくが〉魔界で恐れられている牙兄弟だ」


「お前達に恨みはないが、あるお方の命令でな。その命頂きに来た」


「そう簡単に俺達の命はやれない。リン、レイ、アシュリー行くぞ」



 レイを生き返えらすことが出来たのも束の間、突如現れた魔界からの使者。


 隼人達に安らぐ暇はない。

 突如現れた魔界からの使者、牙兄弟。

 その実力とは?

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