おっぱいと現実が天秤に乗ったらの巻
隼人のおっぱい好きにも困ります。
ハーレム。ハーレム。
王家の宝庫の入り口に辿り着く頃には吹雪になり、視界はほぼゼロに近い状態だった。
「危険な状態でしたわね」
「ああ」
アシュリーの言う通り一歩間違えれば遭難していたかも知れない。
でも、〈君たちそんな格好で寒くないの?〉という気持ちが大きくて思わず口にした。
「皆、そんな格好で寒そうだね。俺が温めようか?」
「寒くないもん」
「結構です」
「お願いします」
全員で顔を見合わせた。
冗談半分で言ったのに、意外にもレイにお願いされた。
「じょ、冗談だから」
真面目にお願いされると困る。
俺は変にドキドキしていた。
「さ、さて。中に入るぞ」
王から借りた鍵を取り出すも、扉らしきモノは凍りつき鍵穴さえ見付からない。
「お兄ちゃん、私に任せて。ファイア〈火炎呪文〉を最小限に抑えて唱えるわ。皆離れて」
リンは目を閉じ通常より長い詠唱に入る。
マックスパワーより、抑える方が集中力と精神力が必要らしい。
リンの目を閉じた顔と、艶やかな唇にムラムラ感を感じた。
〈あぁ、その唇……〉
「お兄ちゃん、お兄ちゃん!」
「ん? おう、何だ?」
「何だ? じゃないよ。扉の氷、解けましたけど? どうせまたヤラシイこと考えていたんでしょ?」
〈ドキッ〉
「さ、作戦をだな~考えていたんだよ」
〈何の作戦だ!〉と突っ込まれるかと思ったが、皆俺を信用している様子だった。
「よし、鍵を開けるぞ! ん? 鍵が掛かっていないぞ。それに鍵が壊れている」
レイのイヤな予感を思い出す。
先客がいるのかも知れない。
俺は恐る恐るドアを開けた。
宝庫内も何十に扉があったが、すべてぶち壊されていた。
奥へ進むと金庫の前に人影を感じる。
「遅かったじゃない? 道にでも迷った? あたいは四天王の一人、ブリザレディよ」
「今度は、オバさんかぁ……」
リンは驚きもせず、地雷を踏む。
「お、オバさん? あたいの何処がオバさんなのさ」
「だって、そんな露出度の高い服、無理して着てるんだもん」
「無理してないわよ。胸だって、ほら」
柔らかそうな胸を寄せてアピールする。
リンがクスクスと笑う。
「んま~。許せない! 覚悟おし! くらいな!」
とたんその口から、空気でさえ凍りつかせるかと思われる冷気が、リンに向かって吐き出された。
リンは瞬時にファイア〈火炎呪文〉でガードするが、細かい無数の氷の欠片が身体に突き刺さっていた。
「うっ……」
膝を落としたリンにアシュリーが肩を貸す。
「大丈夫? リン、薬草よ」
「アシュリー! リンを頼む、レイ行くぞ」
「はい!」
稲妻の剣を抜き取り〈ファイア剣〉の魔法を施し、構えた。
「レイ、時間を稼いでくれ」
俺に作戦があった。
やったことはないが、レイの鉄の爪にもファイアの魔法を施すという作戦だ。
「一か八か……ファイア〈火炎呪文〉レイ、それを爪に!」
「わかりました」
レイの鉄の爪は炎を纏った。
どうやら、うまくいったようだ。
これを皮切りに、俺とレイはブリザレディに反撃を開始した。
ブリザレディの苦手な炎ということもあり、苛立ちが伺える。
冷気をかわしつつ、執拗に魔法剣を繰り出す。
「しつこいわね。これならどう?」
ブリザレディは青い瞳を光らせ、隼人を凝視した。
「その目をみちゃ駄目です」
レイの忠告も耳に入らず、俺はブリザレディの目を見てしまった。
「う、か……ら……だが」
「隼人~こっちよ~あたしのおっぱい揉んで……それ以上のことしてもいいわよ」
「ア、アシュリー?」
「お兄ちゃん、こっちだってば。見て、私のおっぱい。お兄ちゃんに吸ってもらいたいなぁ」
「こ、これは?」
「私のおっぱいも見て下さい。大きさは負けますが、形とピンク色の乳首は負けませんわ」
「う、たまらん。誰から揉んじゃおうかな~。よし、全員まとめてだ」
リンの巨乳に顔を埋めて、右手にアシュリーの巨乳をモミモミ。左手にレイの乳首をクリクリ。
夢のようなシチュエーションだ。
〈夢? そう言えば、俺は何かをしていたような……〉
「あ~ん。隼人お兄ちゃん~もっと私のおっぱい揉んでよぉ」
「隼人お兄ちゃん?リンは隼人お兄ちゃん何て呼ばない! これは夢だ!」
「……」
「お兄ちゃん……大丈夫……?」
俺は目が覚めた。
三人が血だらけになってブリザレディと戦っていた。
どうやら俺は幻覚を見せられていたらしい。
俺は再び剣を構えた。
「皆下がっててくれ。反撃に移る!」
覚めたくない夢。夢の続きを今ここで。
と、隼人が言ってます。




