アシュリーの生い立ちの巻
アシュリーの生い立ちが語られます。
~一方その頃~
ここはマザーブース。
「ロックスさんまで殺られてしまいましたか……どいつもこいつもゴミばかりですね」
「だから、言ったじゃないポラポラ様~。あたいに行かせてよ」
「ブリザレディさん。これはもはや、遊びではありませんよ。アイツの息の根を止めるのです」
「御意」
「このままでは私の計画が丸潰れです。しかし、あの男、思ったよりやりますね」
俺達は海辺のバザーを離れ、近くの島を目指していた。
波は穏やかで、一見平和にも見える。
島に近くと小さな集落が見えてきた。
「よし、上陸するぞ」
俺の合図で全員が船から降りた。
何人かの島民の姿が見えたが、俺達を見て驚いたのか皆逃げて行った。
「敵と間違えたんじゃないかしら?」
アシュリーの言うことももっともだ。
突然現れた俺達に警戒したのかも知れない。
「とにかく島の集落を目指そう」
見たこともない果実の畑。小麦の畑。
名もなき村のように、この島の人々も自給自足の生活を送っているようだ。
「すみません~」
俺は集落の入り口付近にいた老人に話を掛けた。
「灼熱と精霊の名の下に、汝、我に力を与えよ。出でよドラゴン」
老人は俺達が近付くと、ドラゴンを召喚した。
「待ってくれ、俺達は敵じゃない」
老人に聞く耳はない。
「隼人、ここはあたしに任せて。大地と精霊の名の下に、汝、我に力を与えよ。出でよゴーレム」
老人の召喚した、ドラゴンとアシュリーの召喚した、ゴーレムが組み合う。
「ま、まさか?」
老人はそう言い放つと召喚したドラゴンを帰した。
「すまぬ。ご無礼をもうした。そなたは一体?」
「あたしは名もなき村からまいったアシュリーという者です」
「アシュリー殿、失礼だが、そなたの父と母は?」
老人はアシュリーに質問を続ける。
「父と母はあたしが幼い頃、死んだと聞いております。あたしは村長に育てられたので、それ以上のことはわかりません」
アシュリーは遠い目で問いに答える。
ここまで一緒に戦ってきたが、俺達が知らなかった事実。
更に老人は続ける。
「もしかすると、そなたはこの村の者かも知れぬ。そして、そなたは偉大なる召喚師アーバンとサリーの子やも知れぬ。その召喚術が何よりの証拠じゃ」
「あたしがこの村の?」
「この村は別名召喚師の村と言われていてな、生まれながらに召喚術が使えるのじゃ」
「確かに物心ついた時には召喚術が使えるようになってました」
「やはりのう。アーバンとサリーは病に倒れる前に言っておった。信頼のおける者に子供を預けたと」
「父と母が……」
「ついて参れ。そなたらに見せたい物がある」
老人はそう言うと、村外れにある大きな滝に俺達を案内した。
激しく水しぶきをあげながら、流れる滝が姿を現す。
老人は振り返り足を止める。
「そなたらの旅の理由は聞くまい。しかし、この滝の洞窟に奉られたリバイアサンがそなたらの旅の手助けになってくれるじゃろう。さぁ、行くのじゃ」
「隼人行ってみようよ」
「私からもお願いします」
「アシュリーはどうなんだ?」
「あたしも、行ってみます」
「決まりだな」
老人に促されるまま、俺達はリバイアサンを仲間にするべく滝の洞窟に入った。
隼人達はリバイアサンを仲間にできるのだろうか?
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