絶品イチゴプリンの巻
ガンスから、頼まれたモノは?
俺達はバザーで聞き込みをして、ガンスという男の所在をようやく突き止めた。
バザーでも一際ボロいテントにその男は住んでいた。
「すみません、ガンスさんいらっしゃいますか?」
俺は恐る恐るテントの中を覗いた。
「おう、ワシがガンスだ。おめぇら、誰だ」
俺は事情を話し、オババ様からの手紙を渡した。
「話はわかった。だが、オババ様からの頼みとはいえ、大切な船をただで貸すわけにはいかねぇ」
「どうすれば、いい?」
ここまで来て引き下がれない俺は、必死で問い掛けた。
「ワシはなぁ、イチゴプリンってモノが一度食べてみたいんだよ。ワシの言いたいこと、わかるよな?」
イチゴプリン。確かベルナの街で大人気のスイーツ。
上品な甘さで、雪解けのような滑らかさ、そして、おっぱいのようなプリプリ感。
食べたことはないが、話には聞いたことがある。
「わかりました。今すぐ手に入れて来ます」
「今すぐって、ここからベルナまでは三日以上かかるぞ」
「ご心配なく」
俺は目でリンに合図した。
「レイとアシュリーはここで、待っていてくれ。すぐ戻ってくる。リン頼む」
「わかった。お兄ちゃん掴まって」
「じゃあ、行ってくる」
俺とリンが瞬間移動すると、ガンスは腰を抜かし倒れ込んだ。
「お、おめぇ達、一体」
ベルナの街に着いた俺とリンは、イチゴプリンの売っている店に赴いた。
「いらっしゃい!」
お洒落な店構え、スイーツの甘い香り、平日にも関わらず多くの人だかり。
さすが名物の人気店だ。
「すみません、イチゴプリンありますか?」
「あいにく売り切れなんですよ」
人気のあるスイーツだ。
その辺の予想はしていた。
「何とか作ってはもらえないですかねぇ?」
「今からですか? 出来ないこともないですけど、今日の分は終わったので、また明日来てもらえないですかねぇ?」
「そこをなんとか? 無理を承知でお願いしてるんです」
「そう言われてもねぇ」
店主はなかなか折れない。
そこで、俺はイチゴプリンバーサスおっぱいプリン作戦を決行することにした。
「リン頼む」
「仕方ないわね~。店主さん、こっちにおいで」
リンは店主の腕を掴み、店の奥へと消えて行った。
数分後……
「あんなプリンは初めてだ。お客様! 急いで作りますのでお待ち下さい」
店の奥で何が行われたのか? 店主はプリンを作り始めた。
「リン、少しサービスし過ぎなんじゃないか?」
俺は少しヤキモチをやいていた。
「あれ? やいてんの?」
「ば、バカ言え」
そんなやり取りをしてるウチにプリンは出来上がった。
「お待たせしました。当店自慢のイチゴプリンです。お代は要りませんので」
よっぽど店主はリンのプリンが気に入ったらしい。
礼をすると、急いでガンスのもとに戻った。
「お待たせ~皆の分もあるから、食べよう」
ガンスは驚きながらも、喜んでイチゴプリンを頬張った。
さすが人気があるだけ、後を引く美味しさ。
「あ~旨かった。おめぇ達、約束通り船を貸してやる。ついて来な」
イチゴプリンで気を良くしたガンスは、船着き場に俺達を呼んだ。
「これが、俺の船だ。大事に使ってくれよ」
予想していたより、手入れが行き届いていて綺麗な船だった。
「こんな立派な船、いいのかい?」
「あぁ、好きに使っていい。おめぇらの心意気に今度はワシが答える番だ。それと、これが地図だ」
ガンスから、船を借り大海原へとこぎ出した。
未知なる発見もあるだろう? しかし、危険も待ち受けていることだろう。
ガンスから、もらった地図をもとに海辺のバザーよりほど近い、島を目指すことにした。
船を手に入れ、いよいよ大海原へ。




