表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/71

絶対絶命の巻

 姿を竜人に変えたロックス。

 絶対絶命だ~

 ロックスは竜人に姿を変えた。


「この姿に変わったら、お前達は終わりだ。全てにおいて、パワーアップした俺様に怯えるがいい。さぁ、かかって来い!」


「お兄ちゃん、まずいよ……私達だけで、勝てる相手じゃないよ」


「そのようだな。でもなぁ、リン。男にはやらなくちゃいけない時があるんだよ。俺の代わりに石になったレイの為にもな。リン、お前は逃げてくれ。こいつは俺一人でやる」


「そんな、そんなの無理だよ」


「リン! 俺の言うことを聞け! 俺が死んだら誰が残りの四天王を倒すんだ。ベルナに戻って、おやっさんに伝えるんだ。わかったな?」


「わ、わかった」


 リンは泣きながら、逃げて行く。


「ロックス! 俺が相手だ~。覚悟しろ」


「お前一人で? いいのか? あの女を逃がして。まぁ、いい。八つ裂きにしてやるわ」


 ロックスの言っていたことは、ハッタリではなかった。


 自分なりに、だいぶ修行を重ねたつもりだったが、所詮はニセ勇者。

 それまで頑丈に思えた防具が、ロックスの攻撃に耐えきれず悲鳴をあげる。



 精神も体力も限界に近付いていた。


「あれしかない。あれにかけるしかない」


 修行中密かに編み出した〈卍斬り〉。あまりの破壊力にリンとレイの前では見せなかったワザ。

 チャンスは一度限り。

 ロックスが刀を振り上げる一瞬の隙が、その時。


 その間もロックスの執拗な猛攻は続く。

 わかってはいても、ワザを繰り出す間がない。


 その時だった。


「あたしも助太刀させて」


「き、君は?」


「あたしはアシュリー。名もなき村の村長より、命令を受け助太刀に来ました。あたしの召喚獣で、ロックスを引き付けます。その隙に、あなたのワザを放って下さい」


〈シュゴシュゴ〉



 露出度の高い、法衣に身を包み、リンに負けない巨乳ぶり。更に右手に持った杖を握り、上下にシュゴシュゴさせる。


 助太刀してくれるのは嬉しいが、大人のエロさに俺は少し参っていた。それにあの杖をシュゴシュゴさせる動き。意味がわからない。


 我に返り俺は問いに答えた。


「わかった。頼む」


 アシュリーは腰まである長い髪をかき揚げ微笑む。


「大地と精霊の名の下に、汝、我に力を与えよ! 出でよゴーレム」


 アシュリーがゴーレムを召喚すると、凄まじい地響きが起きる。

 ゴーレムはロックスの前に立ちはだかる。

「なんだ? こいつは! 邪魔だ」


「今です」


 アシュリーの合図と共に、俺は地面を蹴りあげワザの名の通り卍を切る。


「くらえ、ロックス! 卍斬りだ~」


 ゴーレムに気を取られていたロックスは、まともに卍斬りを食らった。


 翼はもがれ、全身から血が噴き出す。


「ぐぉぉぉ。この俺様が……」


 ロックスは叫びながら、煙のように消え去った。


「アシュリー、ありがとう」


「いいえ。あたしなんて。それより何か落ちていますよ」


〈シュゴシュゴ〉


 ファイアークを倒した時のように石が落ちていた。

 鈍い茶褐色に光るその石を拾い上げだ。


「うぁぁぁぁ」


 あの時と同じだ。また何かバグが修正されるのだろうか?



「お目覚めですか?」


「おお!レイ。元に戻ったんだな?」


「はい。助かりました。村人も元に戻っていることでしょう」


「そう言えばレイ、紹介するよ召喚師のアシュリー。俺達を救ってくれたんだ」


「話は隼人が眠っている間に、全てアシュリーに聞きましたわ」


「ちょっと、待って! 今何て言った?」


「ですから、隼人が……」


「戻ったんだ。俺の本来の名前。そうだ、俺の名前は隼人だったんだ」


「何を言ってるんですの? 隼人は隼人ですよ」


 どうやらポンコツという名前の記憶は消えているらしい。


「そろそろ脱出しましょう。あたしに着いて来て」


〈シュゴシュゴ〉


「その前に聞かせてくれ、アシュリーのその杖をシュゴシュゴさせる仕草はなんなんだ?」


「ごめんなさい~。あたしの悪い、ク……セ。さぁ、脱出しましょう」


 短いようで、長かったこの戦い。

 ロックタワーは俺達の脱出した後、待っていたかのように崩れ落ちた。


「お~い、お兄ちゃん~」


 逃がした筈のリンが俺に駆け寄る。


「お兄ちゃん~やったんだね」


 俺に抱き付き、おっぱいを必要以上に擦り付ける。


 レイは冷ややかな目で、アシュリーは羨ましそうな顔でそれを見ていた。

 召喚師アシュリーの活躍でなんとかピンチを切り抜けた。

 おまけに俺は本当の名前を取り戻した。


 それはそうと、アシュリーのシュゴシュゴさせる癖が気になります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ